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2012 Fiscal Year Research-status Report

ポストベンションに留意した自殺予防プログラムによる大学生ピアサポーター養成の試み

Research Project

Project/Area Number 23500794
Research InstitutionFukushima University

Principal Investigator

内田 千代子  福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (80312776)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 高橋 由光  京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40450598)
Keywords自殺 / 大学生 / ピアサポート / ポストベンション / 遺された人 / 青年期 / トラウマ / 震災
Research Abstract

大学生においては、10年以上前から自殺が死因の一位を占めている。大学生の自殺予防を促進することは焦眉の急を要する課題である。家族や友人の死で苦しむ“遺された人”のポストベンションに留意したプログラムで自殺予防教育を施行すること、および、友人の自殺の危険に気づいて支援できるピアサポーターとしての関わりのできる若者を養成して自殺者を減らす結果に導くことが本研究の目的である。
H24年度に研究代表者の所属する大学が福島大学に異動となった。2011年3月11日東日本大震災によって、福島県では地震被害に加えて、原発事故による多大な放射線被害を受けることとなった。メンタルヘルスへの影響は計り知れないものがある。チェルノブイリやスリーマイル島原発事故後の研究によれば、うつ状態、PTSDを含めた不安の亢進、身体症状の増加などが住民に認められたという。福島県の大学生や小中高生のメンタルヘルスも懸念される。そのような観点を加味して、研究に使うことを説明し同意を得た学生に対して自己記入式質問紙調査にて、自殺念慮を含むうつ状態等のメンタルヘルス、自殺に関する知識、考え方、行動についての実態、“遺された人”である可能性などについて調べた。また、希望者に面接も行い、ポストベンション強化の自殺予防プログラム作成の参考にした。
自殺予防レクチャーの中でも、震災の影響について配慮し、PTSD等について特に詳しく説明した。レクチャーの前後に、自殺についての知識が身についたか、友人の危険に気づいて適切な援助を勧めることでの自己効力感を得られたか、ピアサポーティブに接することを理解しているかについての自己記入式質問紙調査を行い、教育効果の判定の一助とした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

(理由)
研究代表者の所属先が、平成24年度より東日本大震災の影響が大きい福島大学に異動となった。そのため、予定していた新入生検診時の大規模自己記入式調査については変更せざるを得なかった。小規模調査となったが、質問紙の項目に震災関連を増やす等内容的には充実した調査となった。面接希望者には、より深い内容で聞き取りおよびフォローができた。研究代表者の所属する大学および地域では、東日本大震災により“遺された人”を配慮したポストベンションがまさに必要とされている。狭い意味での自殺予防にとらわれずに、広くトラウマのケアという視点で、レクチャーの内容も充実させ、ポストベンション、ピアサポート養成を留意した予防教育を試みた。

Strategy for Future Research Activity

(今後の推進方策)
研究代表者の所属する大学において、学生に対してH24 と同様に自己記入式質問紙調査を行う。面接希望者にも同様に行う。授業時間を使って、H24で得られた知見を反映させたプログラムのレクチャーを行い、レクチャーの前後に質問紙調査を行う。レクチャーを行ってないクラスで質問紙調査を行い両群の比較をして予防教育による意識、行動の変化を検討する。これまでの調査結果の集計分析、まとめを行う。
先述のように、研究代表者の所属する大学および地域では、東日本大震災により“遺された人”を配慮したポストベンションがまさに必要とされている。ピアサポートの在り方も、自助グループ的色彩がより濃くなる。狭い意味での自殺予防にとらわれずに、広くトラウマのケアを対象とする方向で進めていく。
今回の震災で、釜石の小中学校での津波防災教育の効果が実証され、予防教育の有効性、重要性が高まった。青少年を対象とした予防教育(ペットを題材にした米国のプログラムを参考)に広げる試みを予定している。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

(次年度の研究費の使用計画)
H25年度には、H24年度と同様の自己記入式質問紙調査、面接希望者への面接から得られた知見をまとめ、ポストベンションに配慮した自殺予防教育、ピアサポート的力をもつ学生の養成を試行する。調査結果の集計分析が本年度の大きな仕事となる。コンピュータおよびソフトウエアを購入する予定である。事務補佐員の人件費も要する。まとめに際して参考図書文献も必要である。また、欧米でのPTSD治療を含めてのポストベンションとピアサポートの研修を予定しており、旅費、参加費等必要である。研究分担者、協力者との打ち合わせや会議も予定している。研究費をそのように使用することを計画している。

  • Research Products

    (8 results)

All 2013 2012

All Journal Article (6 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 精神疾患は軽症化しているのか 現場での「軽症化」の実感 大学の現場から2013

    • Author(s)
      内田千代子
    • Journal Title

      こころの科学

      Volume: No.168 Pages: 49,55

  • [Journal Article] 大学生の休学・退学・留年に関する問題①-国立大学の調査からー2013

    • Author(s)
      内田千代子
    • Journal Title

      週刊教育資料

      Volume: No.1240 Pages: 28,29

  • [Journal Article] 大学生の休学・退学・留年に関する問題②-国立大学の調査からー2013

    • Author(s)
      内田千代子
    • Journal Title

      週刊教育資料

      Volume: No.1242 Pages: 28,29

  • [Journal Article] 大学生の休学・退学・留年に関する問題③-国立大学の調査からー2013

    • Author(s)
      内田千代子
    • Journal Title

      週刊教育資料

      Volume: No.1244 Pages: 28,29

  • [Journal Article] 大学生の休学・退学・留年に関する問題④-国立大学の調査からー2013

    • Author(s)
      内田千代子
    • Journal Title

      週刊教育資料

      Volume: No.1246 Pages: 28,29

  • [Journal Article] 学部学生における自殺の現状と問題点2012

    • Author(s)
      内田千代子
    • Journal Title

      第13回フィジカルヘルス・フォーラム報告書

      Volume: 13 Pages: 83-87

  • [Presentation] Psychosocial and mental health background of junior high students in Tokyo-focusing to Bullying which can serve as a cause of suicide2012

    • Author(s)
      Chiyoko Uchida
    • Organizer
      IACAPAP 2012
    • Place of Presentation
      Paris, France
    • Year and Date
      20120723-20120725
  • [Book] 病期・病態・重症度からみた疾患別看護過程(第2版)2012

    • Author(s)
      内田千代子
    • Total Pages
      1981
    • Publisher
      医学書院

URL: 

Published: 2014-07-24  

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