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2011 Fiscal Year Research-status Report

青少年の喫煙・飲酒行動回避のための断るスキル評価に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 23500797
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

岩田 英樹  金沢大学, 人間科学系, 教授 (60322111)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords喫煙・薬物乱用防止教育
Research Abstract

本年度は,断るスキル育成を目指した教育プログラムのレビュー,及び喫煙の開始・継続要因についてのインタビュー調査を実施した。米国で汎用されている断るスキル育成に焦点を当てた教育プログラムの内容分析を進めた。また,同様な視点を持った介入評価研究を収集した。その結果,対象薬物によって成績にばらつきがあり,喫煙防止には効果が期待できるものの飲酒防止では成果が乏しいこと,スキル自体は向上可能でもそれを学習者が実際の生活場面で発揮するか否かは別問題であること,断るスキルの指導のみでは効果が乏しいか,逆効果の場合もあること,等の報告がみられた。また,断るスキルの育成とともに社会的要因や,主観的な規範意識の是正を図る教育内容を組み合わせた介入評価研究がいくつか報告されていることが明らかとなった。女性10名(平均年齢22.2歳)にインタビュー調査を行った。主な面接内容は,基礎的な質問(年齢,現在の喫煙状況),開始要因に関する質問(きっかけ,タバコの入手方法,家族の喫煙状況),継続要因に関する質問(喫煙時の状況,禁煙の試み,学校での喫煙防止教育の印象)等であった。(なお,同様に男性8名(平均年齢21.8歳)についての調査は,平成22年に完了している。)対象者は,威圧的な他者からの誘いで喫煙を開始する者の割合は少なく,自発的に喫煙に向かったり,(女性においては)特定の相手との距離を縮めるために喫煙にいたっていた者もあった。また,喫煙する家族の影響については,多くの者がそれを否定し,かつ,強い嫌悪感を持ちながらも「自分がタバコを吸うことは仕方がない」と考えていた者もいた。これは,近年指摘される「誤った主観的な規範意識」によるものと思われた。以上,単に断るスキルのみを育成するのではなく,その影響要因である社会的要因や主観的な規範意識の是正についても考慮に入れたプログラム開発の必要性が示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度に実施予定であった、青少年を対象とした喫煙の開始・継続に関わる要因に関するインタビュー調査は完了し,学会で口頭発表を行った。また、道徳での役割演技法との比較から、学習活動としロールプレイングの活用の可能性について検討した結果についても、学会で口頭発表を行った。しかしながら、米国を中心にその有効性の検証が行われている「喫煙等の誘いに抵抗する能力の育成」を目指した教育プログラムを取り寄せて、その内容分析を行う予定であったが、想定外に納入時期が遅くなり、次年度での作業となった。そこで、平成23年度は前述のインタビュー調査の結果を基に、青少年の誘いを断る戦略に関する調査研究をレビューし、我が国での実態把握のための調査研究の準備を進めた。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度は、(1)青少年の誘いを断る戦略に関する、我が国での実態把握のための調査研究の実施、(2)すでに米国等でその有効性が評価されている教育プログラムの内容分析および、その日本での応用に向けた検討会を開催する。今のところ、平成24年度に後者の実験授業のための検討会を実施し、当該プログラム内容に十分な理解を深めた教員の参加協力を得て平成25年度には介入評価研究を実施する計画である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度は、調査研究の実施するため、調査票や密封できる回収用封筒等の印刷費、調査票等の郵送費、データ入力作業の人件費等を科研費で充てる。また、米国の教育プログラムの教員マニュアル翻訳のための費用、当該プログラムの教材分析検討会のための会議費、等を科研費で充てる。この他にも、各種開催予定の関係学会での積極的な経過報告にかかる旅費、学術雑誌等への投稿に関わる英文校正費等の費用も科研費で充てる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2011

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 青少年の喫煙開始・継続要因の一考察 ~インタビュー調査から~2011

    • Author(s)
      渡辺希実、岩田英樹
    • Organizer
      第68回 北陸学校保健学会
    • Place of Presentation
      金沢大学
    • Year and Date
      2011年11月20日
  • [Presentation] 保健学習におけるロールプレイングによる指導の課題-道徳の時間における指導の特徴との比較から-2011

    • Author(s)
      岩田英樹,野津有司,渡部基,佐藤幸,他5名
    • Organizer
      第58回 日本学校保健学会
    • Place of Presentation
      名古屋大学
    • Year and Date
      2011年11月12,13日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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