2013 Fiscal Year Annual Research Report
大学新入生における潜在性甲状腺機能異常に関する研究
Project/Area Number |
23500801
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
小倉 俊郎 岡山大学, 保健管理センター, 教授 (80214097)
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Keywords | 慢性甲状腺炎 / 潜在性甲状腺機能異常 / 甲状腺乳頭がん |
Research Abstract |
若年者の甲状腺疾患の実態調査の目的で,大学新入生健康診断にて甲状腺疾患をスクリーニングした。 対象として、平成24年度岡山大学新入生男女2,300名(平均年齢18.3歳)に対して、同意書や検査結果の不備などにより、最終的に2,257名(導入率97.0%)を解析の対象とした。問診にて甲状腺疾患家族歴,現病歴,診察にて甲状腺腫をスクリーニングし,採血としてはTSH,マイクロゾームテスト(MCHA)を検査した。異常値を示した学生には,二次検査としてfT3,fT4,サイロイドテスト(TGHA),TSH受容体抗体(TRAb)を追加し,必要に応じ事後措置として甲状腺超音波(US)を行った。 結果として、家族歴ではバセドウ病を1.5%に認め,甲状腺腫,慢性甲状腺炎は0.5%以下であった。甲状腺疾患既往は0.4%に認めるのみで,女子がほとんどであった。健診で甲状腺腫を指摘された学生は,男子0.8%,女子4.6%で,事後措置でUSを行ったうち3名に甲状腺乳頭癌があり全例手術を施行した。MCHA陽性率は男子1.9%に比して,女子は5.1%と高頻度であった。TSHの異常値を認めたものは男女とも7%程度で, TSH低値例が大多数であった。女子でMCHA陽性と陰性を比較すると前者でTSHが有意に高値であった。二次検査でTRAb陽性率は0.7%,女子2名のみでバセドウ病再発例と新規例であった。測定したTSHとfT4は弱い負の相関を示したが,fT4は正常範囲より高値が半数以上を占めた。 若年者の甲状腺疾患は自覚症状のない潜在例が多く,早期発見のためには頚部触診,US,血液スクリーニングなどを積極的に行うべきと考えられた。 現在、上記内容をまとめて投稿のために論文作成を行っている。
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Research Products
(2 results)