2012 Fiscal Year Research-status Report
学校保健的見地から捉えた青少年の半健康様相と変動規定要因に関するコホート研究
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23500803
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Research Institution | Hamamatsu University |
Principal Investigator |
山崎 秀夫 浜松大学, 健康プロデュース学部, 教授 (50137022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守田 孝恵 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00321860)
檀原 三七子 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (30432743)
迫山 博美 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40611059)
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Keywords | 半健康 / 青少年 / 学校保健 / 変動要因 / コホート研究 |
Research Abstract |
科学研究費補助金を受けてこれまで研究展開してきた半健康の概念を踏まえ、日本公衆衛生学会、日本民族衛生学会、ICIP(International Conference of Interprofessional Partnership)等において、半健康関連の研究知見を提示し議論を交わした。また、糖尿病、 痛風、慢性疼痛の最新知見を得るために関連学術学会で情報交換を行った。さらに、対象集団から得られた半健康データを入力整理し、断面的調査結果について、半健康の状態的多次元構造を空間解析的視点から分析した。昨年度の研究成果も踏まえ、半健康の様相的評価尺度を再検討した。特に、半健康の出現状況を探るため、prevalence的視点から分布状況について検討を加えた。コホート内の属性(年齢・性別等)の相違により若干の調整が必要ではあるが、概ね20~30%程度で半健康の出現が認められた。その後、縦断的研究に立脚した半健康様相の変動について、分析基盤となる各変数の単変量的解析を試みた。この結果を踏まえ、次年度以降、コホートデータを蓄積しながら、時系列的変動と規定要因について、多変量解析的視点から解明する基礎が構築された。 半健康調査の単変量解析的結果から、意識・行動、生活スタイル等の内容に関するばらつき(標準偏差・レンジ等)が大きい傾向が認められた。広義の地域環境要因として捉えた地域諸特性については、ばらつきが小さく、今後の多変量解析において注意深く対応する必要があることが指摘された。学校保健における健康管理システムへの半健康評価の導入について、養護教諭・養護教諭養成課程修学者等にヒヤリングを実施し、質的研究の分析枠組みで解析している。今後のシステム化に向けて、取組み上の鍵観点が得られるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、本研究課題の2年度目にあたり、半健康に関わるプロスペクティブな研究結果を得るベースラインとして研究が展開された。研究初年度に展開した半健康概念・半健康評価手法・半健康関連要因等に関わる結果を踏まえて、青少年コホートのベースライン時点での諸特性を中心に分析を加えることができた。さらに、対象集団における半健康状態の出現状況を、半健康状態量の包括的指標を適用し特定することができた。加えて、疫学的マッチングに基づいた地域環境要因の絞り込みを実証的に確認することができた。このようなことから、次年度以降の半健康状態量の変動規定要因の検討に向けた条件整備が図られたと評価している。 本研究課題の現在までの達成度は、総合的にみて、「おおむね順調に進展している。」と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については、端的に捉えると、半健康の状態量的変動をベースラインとの比較により明らかにすることに主眼が置かれる。次年度は、最終年度における半健康様相の変動の傾向性を特定し、その変動に関与する要因の特定とそれらの影響性を評価するための中間データを収集することに主眼が置かれる。その結果を踏まえることで、最終年度における半健康様相の変動とその規定要因の解析が可能になる。加えて、次年度における健康・生活に対する意識・行動要素と生活スタイル要素等の半健康状態量的変動への影響性を分析するため、多変量解析的手法を適用しながら数量化していく予定である。特に、次年度の多変量解析的手法の適用から導出される分析枠組みの構築は、本研究課題の最終成果を左右する重要な段階と言えることから、慎重且つ斬新に展開していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、直接研究費助成として800,000円を申請している。物品費(300,000円)、旅費(500,000円)を支出する計画を立てている。この内、研究分担者3名の予算として、物品費から各30,000円、合計90,000円の執行を予定している。物品費としての執行は、調査票作成(用紙購入・調査票印刷等)に係る費用、ファイリング関連の費用、データ保存装置等購入に係る費用等を計画している。旅費としては、国内外における半健康関連の学術情報を得るための研究活動、本研究課題のプロスペクティブな視点からの研究成果を公表するための学会活動、コホート条件を含め調査環境の整備に関わる活動等に関連する費用についての執行を計画している。
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