2011 Fiscal Year Research-status Report
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23500812
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
西連地 利己 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70453404)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 抑うつ / コホート研究 / 首尾一貫感覚 / 自己効力感 |
Research Abstract |
23年度は、(株)医療産業研究所から提供を受けた2005年の問診データ、2005年から2007年の傷病手当受給状況およびレセプトデータを整理し、データベースを作成した。このデータベースを用いて、20歳から70歳の1822人を対象として、2005年の首尾一貫感覚(SOC)の状況と2007年までのメンタル疾患による受療状況の関連をCox比例ハザードモデルにより分析した。SOCは中央値をカットオフポイントとして2群に分けた。メンタル疾患の定義は、第10回修正国際疾病分類コード(ICD-10)の気分障害(F30-F39)、神経症性障害,ストレス関連障害及び身体表現性障害(F40-F48)とした。平均1.8年の追跡の結果、89人の受療がレセプトにより確認された。低SOC群を基準として、性と年齢を調整した高SOC群のハザード比は、0.45 (95% confidence interval [CI], 0.29-0.71)であった。このことから、SOCは将来のメンタル疾患による受療リスクと関連していることが明らかとなった。この成果は、2012年3月18日~23日にメキシコのカンクンで開催されたInternational Commission on Occupational Health (ICOH) Congress 2012で発表した。また、自己効力感(SE)についても同様の分析を行い、2011年の獨協医学会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
データペースの構築の第1段階は予定通り終了した。また、そのデータベースを用いて、抑うつ発症に関連するいくつかの因子について分析を行い、その成果を学会で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、厚生労働省の職業性ストレス簡易問診票にあるストレス反応項目と抑うつ発症について分析を進め、論文を執筆中である。また、昨年度の獨協医学会で発表した自己効力感(SE)とメンタル疾患について、さらに分析を進め、論文を執筆する予定である。これらの論文の執筆と公表を推進するため、当講座の研究生1名の協力を得ている。さらに、24年度は2006年および2007年の問診データについて、データベース化を図る。このため、データの整理・マッチング等の作業のためにアルバイトを雇用する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
23年度に作成したデータベースに、2006年および2007年の問診データを追加する作業、および文献整理、数表の転記およびチェック等の作業を行うためのアルバイトを雇用に80万円程度を充てる。また、論文作成、学会発表抄録の英文校正、および論文掲載料等に10万円程度を充てる。
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