2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500812
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
西連地 利己 獨協医科大学, 医学部, 准教授 (70453404)
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Keywords | 抑うつ / 首尾一貫感覚 / 自己効力感 / レセプト / 傷病手当 |
Research Abstract |
25年度は、前年度までに構築したデータベースを用いて、自己効力感(Self-Efficacy: SE)と抑うつを含む気分障害による医療機関の受療との関連について検討を行った。研究開始時に抑うつを含む気分障害による受療のない1,803人を平均1.8年間追跡したところ、58人の受療が確認された。対象者をSE得点の四分位によって4群(Q1~Q4)に分けた後、SEの最も低い群(Q1)を基準としたQ2~Q4のハザード比をCox比例ハザードモデルによって算出した。その結果、男女を合わせた分析において、Q2で0.65 (95%信頼区間:0.34-1.25)、Q3で0.49 (95%信頼区間:0.24-1.00)、Q4で0.40 (95%信頼区間:0.18-0.88)と有意な関連が認められた。この成果は、Ind Healthに掲載された(Taneichi H, Asakura M, Sairenchi T, Haruyama Y, Wada K, Muto T. Low self-efficacy is a risk factor for depression among male Japanese workers: a cohort study. Ind Health. 2013;51(4):452-8.)。 また、SE、首尾一貫感覚(SOC)および職業性ストレス簡易調査票(Brief Job Stress Questionnaire: BJSQ)によるストレスレスポンスなどの項目について、主成分分析により主成分を抽出したのちに、当該主成分を用いてCoxの比例ハザード分析を行う手法により、気分障害等による受療を予測する手法を試みた。その結果を用いて、個人の相対的受療確率を算出するエクセルシートを試作したが、予測精度の検証が今後の課題である。 平成23年度~平成25年度の研究期間中に、データベースを構築し、SOC、BJSQによるストレスレスポンス、およびSEと、抑うつ関連状態(受療もしくは傷病手当)との関連の検討等を行い、1本の学会発表と2本の論文を公表した。今後、これらの成果について、外的妥当性を検討していく必要がある。
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