2013 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者のメンタルヘルスに及ぼす身体活動・運動の影響に関する縦断研究
Project/Area Number |
23500819
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Research Institution | Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
安永 明智 文化学園大学, 現代文化学部, 准教授 (30289649)
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Keywords | 高齢者 / 身体活動量 / メンタルヘルス / 体力 / 縦断的研究 |
Research Abstract |
平成25年度は、平成23、24年度の調査協力者約120名を対象に、メンタルヘルス(主観的幸福感、抑うつ、健康関連QOL)と体力(握力、開眼片足立ち、5mの通常及び最大歩行速度)のフォローアップ調査を実施した。同時に協力者には、1ヶ月間にわたって加速度センサー付歩数計を装着してもらい、客観的な身体活動量の測定を実施した。平成25年度のその他の調査項目や測定方法などは平成23、24年度と同様である。 また平成23~25年度に得られたデータを基に、高齢者の身体活動量、体力、メンタルヘルスの関係について縦断的に分析した。分析には、平成23~25年度のメンタルヘルスの得点の変化(平成25年度の得点と23年度の得点の差)を従属変数、ベースラインの身体活動量(総量、中強度以上の活動量、低強度の活動量)及び体力(握力、5m通常歩行速度、5m最大歩行速度、開眼片足立ち)を中央値で2分位した変数を独立変数、年齢と性別、そしてベースラインのメンタルヘルス得点を調整変数とした共分散分析を用いた。分析の結果、健康関連QOLの身体的側面及び精神的側面のサマリースコアの変化と5m最大歩行速度の間に統計学的有意な関連が認められ、ベースラインでの最大歩行速度が速い高齢者は、遅い者と比較して、2年後の身体的健康の低下が小さく、精神的健康の改善が大きかった。本研究結果は、関連学会で発表するとともに、論文としてまとめ、欧米の関連学会誌に投稿中である。
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