2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500831
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
岩船 昌起 鹿児島大学, 地域防災教育研究センター, 特任教授 (00299702)
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Keywords | BLS / AED / BLS環境 / BLS安全域 / 体力 / 住民 / 共助 / 防災 |
Research Abstract |
心停止等の重篤な傷病者の救命率や社会復帰率を高めるには,傷病者発生(卒倒)から5分以内でできるだけ早くAEDによる除細動が行われることが望ましく,救急医療体制や地域防災体制に速やかに連携できる「地域住民が協力し合える一次救命処置(BLS)体制」の強化が必要である。1台のAEDを取り巻く「5分以内に除細動が可能な『BLS安全域』」は,一般体力者がAEDを走って取って戻る場合には道のり約200mの範囲であることが走行実験から明らかになった。しかし,電話等でAED設置場所に連絡できて高体力者が走って持って来る場合には道のり500m強,自転車や自動二輪車等が活用できる場合には道のり1km程度の範囲まで拡大できる。従って,AED設置事業者と地域住民が緊急時に連携をとれる仕組みづくりは,移動の障害となる「坂」や「階段」,「道の曲がり」や「建物内の屈曲」等, BLSを取り巻く環境(BLS環境)を認識しつつ,最大「道のり約1km」の範囲を基準にして構築するべきである。この範囲は,東日本大震災被災地の高齢な仮設住宅住民の「日常徒歩生活圏(域):道のり約1kmが平均で約500m以内が高頻度(岩船2013)」とほぼ同じ広がりであり,地域住民の「共助」を基盤にBLS体制(≒防災体制)を強化できる「基本空間単位」ともみなせる。 そこで,霧島市での「AEDを中心としたBLS体制」の強化のために,「BLSマップ」と BLS環境に係る解説資料を制作し,霧島市公式ホームページ「霧島市AEDマップ」で閲覧できるようにした。「BLSマップ」は,メンテナンス等との関係からGoogle Mapでつくられ,AEDからの道のりを距離ごとに3区分した単純な構造ではあるが,霧島市消防局によって地域の救命講習等で紹介され, BLS体制や地区防災計画の構築等で,「共助」の効率的な展開の範囲を考える資料として活用される。
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Research Products
(7 results)