2011 Fiscal Year Research-status Report
日常歩行数は大腿骨頸部及び腰椎骨密度の維持に貢献するか否か?
Project/Area Number |
23500852
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
北川 淳 北里大学, 一般教育部, 准教授 (80260529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊木 雅之 近畿大学, 医学部, 教授 (50184388)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 女性高齢者 / 歩行数 / 骨密度 / 骨粗鬆症予防 |
Research Abstract |
国民栄養調査や健康日本21では「歩行数」が身体活動指標として用いられており,歩行数が「健康」に及ぼす効果が注目されている。 本研究では,平成23年度に実施した「骨粗鬆症予防のための成人疫学調査」:The Japan Population-based Osteoporosis (JPOS) Studyにおいて,中高年女性を対象として,日常歩行数と「大腿骨頸部」や「腰椎」の骨密度(DXA法)との間に関連性が認められるか否かについて検討を進めている。 平成23年には,香川県さぬき市,北海道芽室町,新潟県上越市において,50~79歳の女性(合計約700名)を対象として測定を行った。 現在まで,香川県さぬき市における対象者のデータを基に予備分析を進めている。閉経に伴う骨密度の減少は,閉経後10年が経過すると緩やかになることから,閉経後10年以上経過した女性90名(69.2±6.3歳)を一次対象とした。身長,体重などの身体特性とともに,アンケート調査にて閉経年齢,牛乳摂取頻度,運動頻度などを調査した。また,活動量計(EW-NK50,Panasonic,3軸加速度センサー内蔵)を用いて身体活動量を測定した。本装置では歩行数を測定するとともに,得られた加速度をMETsに換算後,3METs以上の運動を数値化し,Exとして算出する。骨密度はDXA法(QDR4500A車載型,Hologic社)を用いて大腿骨頸部および腰椎の骨密度を測定した.その結果,大腿骨頸部骨密度は,歩行数とは相関を認めなかったが,活動強度を反映するExと正の相関を認めた。これより,大腿骨頸部骨密度を維持するためには,活動の"量"を表す歩行数よりも,"質"を反映する強度を保つことが重要である可能性が示された。 今後は,全ての対象者を含めた分析を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度には上記3地域のほかに,福島県西会津町において約330名を対象とする現地調査を予定していた。しかし,西会津町は東日本大震災の被災者の避難先となり,行政もその受入れのため混乱していたため,測定日時を平成24年度に延期した。 平成24年2月に,JPOS Studyの実施責任者であり,本研究分担者である近畿大学医学部・伊木雅之教授が西会津町の担当者と打ち合わせを行った。その結果,町の行政も落ち着きつつあるため,平成24年10月4日から14日間の日程で現地調査を実施することになった。平成23年度と同様の研究体制および設備にて調査を実施するため,何ら問題なく調査を行うことが可能と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度には福島県西会津町の調査データが加わる。これにより前項「9.研究実績の概要」欄に示した,歩行数やExが大腿骨頸部及び腰椎骨密度に与える効果について,大規模サンプルにおいても認められるか否か検討を行う。さらに,有意な効果が認められた場合には,具体的にどれ位の歩行数やExを保つことが骨密度維持に貢献するのか提案したいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用研究費として100,513円の残金があるが,これは上述した通り,実施することができなかった福島県西会津町での旅費等の残金である。 平成24年度には500,000円が交付されるため,合算した約600,000円を使用して現地調査を行う。平成23年度に行った調査では,1地域において約450,000円の旅費等を要したため,適切な使用計画と考えている。
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