2013 Fiscal Year Research-status Report
2型糖尿病治療のアドヒアランスに影響するウェルビーング、DQOLの関連因子の検討
Project/Area Number |
23500856
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
弘世 貴久 東邦大学, 医学部, 教授 (40384119)
|
Keywords | 糖尿病 / 睡眠 |
Research Abstract |
【研究の目的と当初の計画】2型糖尿病患者の治療継続アドヒアランスに関連すると考えられるQOLが、いかなる因子とより関連が深いかを睡眠、身体活動度、家族関係に関するアンケートをQOLに関するアンケートと並行して行い、比較検討する。【実際に施行した研究内容】23年度に外来通院している2型糖尿病患者 300数十名にアンケートを施行した。24年度は主にこれらのアンケート調査の解析を行った。25年度はさらに解析を加えた上、論文化を行った。 【解析結果】得られたデータより、各アンケート回答結果間あるいは血糖コントロール指標などとの相関関係について統計的分析を行った。これらの解析より、QOLの低下と生活活動度や睡眠の質や量に強い関連性が認められた。血糖コントロール指標であるHbA1cと睡 眠量に強い相関関係があったがこれは海外の既報とほぼ同様の結果であった。一方、睡眠の量とは独立して従来睡眠の量や質との関連が考えられている昼夜のリズム(MEQ)がその量や質とは独立してDQOLやHbA1cとの有意な関連性があることが示された。このような報告はこれまでに全くなく臨床的意義は極めて高い。そこでこれらの結果を下記論文化した。 Iwasaki M, Hirose T, Mita T, Sato F, Ito C, Yamamoto R, Someya Y, Yoshihara T, Tamura Y, Kanazawa A, Kawamori R, Fujitani Y, Watada H, Morningness & eveningness questionnaire score correlates with glycated hemoglobin in middle-aged male workers with type 2 diabetes mellitus. J Diabetes Invest 4: 376-381, 2013
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アンケート回答結果を集積し、統計的分析を行い、その結果を論文化するという一連のステップは遂行された。このように横断調査は終了することができたが、この結果を元に介入研究や睡眠障害の細部にわたる調査が必要と思われるがその段階には至っていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は糖尿尿関連QOLや睡眠関連のQOL を改善するような介入を行えば、より効果的な教育入院、血糖コントロールの管理が可能となりうることが予想される。しかしながら、現在までに糖尿病患者において、そのような介入結果が報告されていないばかりか、介入方法開発の出発点となるQOL 低下の詳細についても未だ解明されていない。そこで今後の研究においては、糖尿病教育入院患者に対して糖尿病関連およびその周辺QOL(栄養、運動、睡眠状況、家族関係、性格)に加え、睡眠関連QOL および睡眠状況を評価するとともに、教育入院患者においても睡眠関連QOL がその教育後の効果に影響を及ぼすかをその他の環境因子と関連付けながら詳細に検討したい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究者の職務先の異動(順天堂大学から東邦大学へ)に際して一時的に研究補助員の雇用が止まるとともに研究計画の進行(データ解析、患者アンケートの集積等)が遅れたため、経費の未使用が生じた。 統計解析ソフト最新版の購入および印刷費として使用予定。
|
-
[Journal Article] Morningness & eveningness questionnaire score correlates with glycated hemoglobin in middle-aged male workers with type 2 diabetes mellitus2013
Author(s)
Iwasaki M, Hirose T, Mita T, Sato F, Ito C, Yamamoto R, Someya Y, Yoshihara T, Tamura Y, Kanazawa A, Kawamori R, Fujitani Y, Watada H
-
Journal Title
Journal of Diabetes Investigation
Volume: 4
Pages: 376-381
DOI
Peer Reviewed