2013 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患の運動療法と炎症制御および酸化・窒素化ストレスに関する検討
Project/Area Number |
23500862
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
大石 修司 東京医科大学, 医学部, 教授 (00322462)
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Keywords | COPD / 呼吸リハビリテーション / 酸化ストレス / インターロイキン-6 / レプチン |
Research Abstract |
【目的・方法】本研究の目的は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)における呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)の効果を、酸化・窒素化ストレスおよび炎症関連分子を解析することにより、全身性炎症性疾患としてのCOPDへの呼吸リハの効果・意義を明らかにすることである。対象は、安定期COPD患者14名で、平均年齢は66.7歳。呼吸リハは、歩行訓練(6MWDの70%)などの運動療法が主体である。これまでの検討では、呼吸リハは、呼吸機能検査では有意な変化を示さなかったが、6MWDは269.9mから320.3mと平均で約50mと有意に改善し、同時に、血清TBARSは、4.75±0.37(mean±SE)nmol/mlからリハ後には3.83±0.33nmol/mlと酸化ストレスも有意に軽減した。本年度は、炎症性サイトカインとしてIL-6, TNF-α,IL-1、栄養と炎症に関連する分子としてレプチンを測定・検討した。【結果・考察】IL-6は、運動で増加することが知られているサイトカインであり、リハ前後でそれぞれ2.54±0.71pg/mlと3.92±1.48pg/mlで増加しているように思われたが、統計的には有意差はなかった。なお、TNF-αとIL-1は多くの検体で測定感度以下であった。また、COPDに認められる栄養障害との関連が示唆されるレプチンは、好中球性炎症を惹起することも知られており、運動によるこの経路の活性化を検討したが、リハ前後でそれぞれ3.46±0.57ng/mlと3.55±0.42ng/mlで有意差はなかった。したがって、これまでの検討と併せて、COPD患者への呼吸リハは、運動耐容能を改善し、酸化ストレスを軽減するとともに、今回用いた運動プログラムでは、炎症性サイトカインなどの炎症を増強する分子への影響は認めず、炎症の観点からも有効なプログラムであることが示唆された。
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[Presentation] Effect of pulmonary rehabilitation on RBC oxidative markers and urinary 8-OHdG in COPD patients with different severities2014
Author(s)
Kenji Nemoto, Shuji Oh-ishi, Masayuki Itoh, Mariko Nakazawa, Kazutaka Fujita, Hirofumi Sakurai, Jun Kanazawa, Lin Shih-Yuan, Takio Takaku, Kenji Hayashihara, Takefumi Saito, Toshio Ichiwata
Organizer
2005ATS 101th International Conference
Place of Presentation
San Diego, USA
Year and Date
20140516-20140521
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