2011 Fiscal Year Research-status Report
性周期からみた持久的運動がDNA損傷に及ぼす影響とそれに伴う乳癌誘発の可能性
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23500867
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Research Institution | International Pacific University |
Principal Investigator |
安田 従生 環太平洋大学, 体育学部, 講師 (00467119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷岡 利裕 昭和大学, 薬学部, 助教 (80360585)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 応用健康科学 / 運動処方 / 運動療法 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
本研究では、エストロゲン(17β-estradiol)濃度が異なる性周期に着目し、閉経前女性健常者を対象として、持久的運動がDNA損傷とそれに伴う乳癌発生に関する作用機序を明らかにすることを目的とした。平成23年度は、主な解析の第1段階として、運動後のDNA損傷とその修復のバランスを示す尿中8-hydroxy-2’-deoxyguanosine (8-OHdG) を定量することであった。閉経前女性健常者(20~40歳)と男性健常者(20~40歳:コントロール群)を対象に、(1) 最大運動:自転車エルゴメーターで最高酸素摂取量の測定を実施し、(2)最大下運動:最高酸素摂取量(VO2peak)の60%の運動強度で2時間の自転車駆動試験を実施した。運動前後に尿及び唾液の検体を採取し、特に、閉経前女性健常者においては、エストロゲン濃度が異なる卵胞期と黄体期で実施した。尿中8-OHdGの解析結果として、運動直後においてはDNA損傷が見られたが、24時間後にはベースラインに戻ることが判明した。さらに、性周期によるDNA損傷及び修復に関する顕著な差はないことが明らかとなった。長時間で中強度の運動による自律神経系の作用(唾液中α-amylase)も性周期による顕著な差はみられなかった。これらのことは、長時間で中強度の運動が及ぼすDNAの損傷及び修復が17β-estradiol濃度と関連性が低いということが示唆された。これらの結果を受けて、平成24年度及び平成25年度では、長時間で中強度の運動が乳癌誘発を予防するために役に立つかどうかについて検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度における到達度目標は、主な解析の第1段階として、運動後のDNA損傷とその修復のバランスを示す尿中8-hydroxy-2’-deoxyguanosine (8-OHdG) を定量することであった。運動強度を設定するための最大運動及び長時間で且つ中強度の運動が及ぼす影響を検討するための最大下運動を実施し、8-OHdGの定量も完了した。これらのことは、研究計画通りである。平成24年度では研究計画通り、"性周期によるDNA損傷及び修復に関する顕著な差がなかった場合"に基づき、DNA損傷や修復に付随する別の酸化ストレスマーカーを測定することになっている。さらに、平成24年度による酸化ストレスマーカーにおける解析結果を受けて、平成25年度では、乳癌誘発に関連するマーカー(尿中2-hydroxyestrone及び16α-hydroxyestrone)を中心に定量する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度における研究結果(性周期によるDNA損傷及び修復に関する顕著な差はない)に基づき、平成24年度はDNA損傷や修復に付随する別の酸化ストレスマーカーを測定する。詳細には、脂質酸化傷害のマーカーであるイソプラスタンやタンパク質酸化傷害のマーカーであるタンパク質過酸化物質などをELISA法にて測定する予定である。さらに、平成24年度による酸化ストレスマーカーにおける解析結果を受けて、平成25年度では、乳癌誘発に関連するマーカー(尿中2-hydroxyestrone及び16α-hydroxyestrone)を中心に定量する予定である。平成23年度~平成25年度までの研究で、"長時間で中強度の持久性運動は女性の乳癌予防に役に立つかどうか"ということについて明らかにする所存である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成23年度における研究結果(性周期によるDNA損傷及び修復に関する顕著な差はない)に基づき、平成24年度では、DNA損傷や修復に付随する別の酸化ストレスマーカーを測定する計画である。その際に必要となる一連の必要物品(試料、キット)及びその他の物品(消耗品等)に使用する予定である。さらに、上記の費用に加え、平成23年度で実施した実験における被検者への謝礼金や国内外での学会発表で必要となる旅費を使用する計画である。平成25年度では、平成24年度における酸化ストレスマーカーの結果を受けて、乳癌誘発に関するマーカーの測定と国内外での学会発表(日本生化学学会、日本体力医学会、オーストラリアスポーツ医学会、アメリカスポーツ医学会等)で必要となる旅費に使用する計画である。
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Research Products
(2 results)