2013 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者介護を支える家族・専門職ネットワークに関する基礎的研究
Project/Area Number |
23500877
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高田 洋子 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (80171445)
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Keywords | 高齢者介護 / 地域福祉 / 介護意識 / 専門職 / ネットワーク |
Research Abstract |
介護に関わる社会サービスの利用者である高齢者および家族の意識,専門職や地域福祉の担い手とのネットワークと相互コミュニケーションの課題を明らかにし,その充実の条件を探ることを,この研究の目的とした。 23年度には,研究枠組みの具体化を考え,医療・福祉・保健各領域でのこれまでの研究成果と各領域で現実に取り組まれている課題の把握と研究水準の確認をまず行った。その上で予定する調査地域に関わる自治体財政分析,高齢者福祉施策と高齢者生活の概要を把握し,翌年度の本調査に備えた。 24年度には,介護保険導入後の地域福祉展開に関わる課題として,医療・保健・福祉の3領域間の専門職連携を,地域において住民・家族との協働の中でいかに有効に展開できるのかをとりあげ検討した。その際の大切な条件の一つである当事者や家族,地域住民の意識のありかたに関し,具体的な実証調査を福井県大野市で行った。40歳から85歳の市民約千人を抽出し,「ケアラー」問題に焦点を設定し郵送調査を行った。「ケアラー」は回答者の3分の1を占め,社会的なサービス,専門職の働きとの協働が,必ずしも期待通りではない実際が示された。配票調査後に,可能な面接調査によって,やや精細な問題群の把握を試みた。 25年度には大野市調査の第一次報告書を出し,同様の調査を,福井市近郊の坂井市春江地区で約600票の郵送調査を行い,第一次報告書を出した。大野市調査の第2次分析の報告書を出し,学内紀要にも概要を報告した。施設福祉から在宅福祉への移行を考え,医療・保健領域との連携を前提とした地域包括ケアシステムを実現しようとする高齢者介護に関わる中央政府の構想は,私たちの実証調査や幾つかの学会や研究会から得られた知見によれば,未だ少なくない課題を有している。
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Research Products
(4 results)