2012 Fiscal Year Research-status Report
高齢者施設の配置計画からみた地域密着性向上のための要件
Project/Area Number |
23500878
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
毛利 志保 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (60424941)
|
Keywords | 地域密着型特別養護老人ホーム / コストマネジメント / 運営 / 立地特性 / 平面分析 / ユニットケア / イニシャルコスト / ランニングコスト |
Research Abstract |
具体的内容 今年度は、昨年度実施した地域密着型特養へのアンケート結果についてのより詳細な分析、および配置と建築コストの適切なバランスを持つモデルの提示を目的とし、研究を進めた。内容は、以下の通りである。 ①配置計画データベースの分析、②建築計画のコストに関する情報収集、③配置・建築コストのバランスを考慮したモデルの提示。 ①については、立地・敷地規模・選定理由等、敷地・配置に関わる施設全体の傾向を捉えた。また、前年行った建築計画データとの照合から、立地と建築計画の関係について分析を進めた。②については、先駆的事例として3施設の視察を行い、設計者および運営者へのヒアリングを行った。②の結果を元に、③の提示を試みた。今年度は要素抽出に留まった。それぞれの関係性について更に分析が必要である。 意義・重要性 立地、特に市街化・市街化調整の別は、広域型と同様に建築計画(敷地規模、建蔽率、容積率、凹凸度、眺望)に影響を与えており、市街化調整区域の方が計画の自由度は高いといえ、環境整備における地域密着性と運営面における地域密着性については分けて検討する必要性があることがわかった。 イニシャルコストに影響を与える土地取得については、法規制の影響(2007年都市計画法の開発許可制度の改正。開発許可を2000㎡以下とする)、建設コストについては、構造の選択性の影響が推察された。小規模・低層化による木造化が可能になり、耐火性能の点から在来よりも2×4工法に注目が集まった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H24の計画である1)建築計画コストに関する情報収集、2)建築計画に関するデータベース化および分析については達成できているが、3)配置・建築コストのバランスを考慮したモデルの提示については、完了しているとはいえない。 しかしながら、最終年度のケーススタディにおいては、既に一部終了済みであることから、それらと併行しながら完了することが可能であると考える。 以上から、平成25年度の計画について既に着手した内容と平成24年度の未達成状況のバランスを考慮し以上のような自己評価を行いました。
|
Strategy for Future Research Activity |
内容 当初の計画にのっとり、先駆的事例のケーススタディを詳細に行う。既に訪問済みであることから、概要把握は完了している。今後は更に環境整備と運営、ひいては入居者の生活環境についても把握していき、諸条件の収束に向けて検討を進める。 また、モデル提示については早急に行うこととし、国内・国際会議問わず成果発表の機会を得て、外部からの意見聴取や評価を得たいと考える。 体制 基本的に研究代表者が遂行。必要に応じて事業者(設計者・運営者)、ファシリティマネジメントに詳しい学識経験者との連携をとっていく。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度に行う研究内容に対応した研究費の使用計画については以下の通りである。 先駆的事例のケーススタディとしては、視察旅費、打合せ会議費、施設への謝礼などを想定している。また、成果発表として、学会への論文投稿料、学会参加旅費(国内・国際会議への旅費)について充てる予定である。
|
Research Products
(3 results)