2013 Fiscal Year Research-status Report
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23500882
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
ガンガ 伸子 長崎大学, 教育学部, 教授 (40197736)
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Keywords | 食料消費 / 家族 / 単身世帯 / 簡便化 |
Research Abstract |
25年度は、食料消費の簡便化と家族変動に関する実証分析を行った。近年、食料消費において簡便化の進行が著しいが、これには、家族の小規模化など家族変動による影響が大きい。そこで、世帯主の年齢や家族規模(世帯人員数)が食料消費の簡便化に及ぼす影響を明らかにした。食の簡便化には、中食や外食の支出増はもとより、内食と呼ばれるものの中にも、ほとんど家庭内で調理しなくても消費できる簡便化食品も含まれ、調理素材からそれらへの移行も含まれる。そこで、内食を素材・加工・簡便化食品に細分化し、中食・外食(食事代)とともに、通常の回帰分析と区間回帰分析を適用し、世帯主の年齢と世帯規模が食料消費の簡便化に及ぼす影響を検証した。その結果、規模の経済性は、内食・中食ともに認められたが、特に穀類(素材)においてその効果が大きかった。また、世帯主の年齢の効果は、内食・中食においては、年齢が上がるにつれて支出金額が増加し、外食は逆に低下するという傾向が示された。区間回帰分析の結果、世帯主の年齢階級によって、内食・中食・外食の支出に対して、世帯規模と所得の区間係数の中心値に違いがみられ、幅が認められたものもあった。 さらに、単身世帯における食料消費の特徴も、年代・性別に明らかにした。男女・年齢グループ間では、食料項目間の相関関係に違いがみられた。回帰分析の推計結果から、経済要因の有意性が低く、ほとんどの食料項目において、単身者は所得や価格に反応しないことが分かった。その一方で、性別や年齢の効果が明確に示された。内食と呼ばれる素材食品が多く含まれる項目では女性は多く支出し、中食(調理食品)や外食、飲料・酒類などに対しては男性が多く支出するということが示された。また、年齢の高いグループが内食の支出が多い傾向にあることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25度の計画にあった需要体系分析はまだ途中であるが、資料収集およびモデル設定は終えている。回帰分析について、通常の重回帰分析の他、区間回帰分析も行った。また、26年度に予定している線形計画法にも着手しているので、おおむね順調であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度は、家族の食事計画の最適化について、数理計画法(主に線形計画法)を用いて分析を行い、さらに家族変動と食生活の関係も問題解明に発展させていく。家族変動と食生活に関する最新データを追加し、引き続き資料分析も行う。また、本課題の最終年度にあたるので、報告書にまとめる。
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Research Products
(3 results)