2011 Fiscal Year Research-status Report
中山間地域・離島における居住の継続を支える社会関係資本の実態把握調査
Project/Area Number |
23500903
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
澤村 明 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (40334643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 登 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50250395)
松井 克浩 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (50238929)
杉原 名穂子 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (00251687)
北村 順生 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20334641)
加井 雪子 (長谷川 雪子) 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (20303109)
鷲見 英司 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (60337219)
中東 雅樹 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (30406714)
岩佐 明彦 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90323956)
伊藤 亮司 新潟大学, 自然科学系, 助教 (70334654)
西出 優子 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60451506)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 限界集落 / 居住 / 中山間地域 |
Research Abstract |
本年度は、ダム建設に伴い集団離村から30年を経た集落の、ソーシャル・キャピタルの変化についてのインタビュー調査と、大規模な地域芸術祭実施地域の意識調査のプレテストを行った。 前者は、新潟県旧岩船郡朝日村三面集落である。新潟県と山形県の接する山地に位置し、「マタギの村」として知られ、ダム建設に伴い1980年に41戸中31戸が集団で村上市内に移転した。これまでは狩猟の風習民俗などは調べられてきたが、本研究では、山中の隔絶した集落におけるソーシャル・キャピタルが、平地に降りてきた場合にどのように変化するか、あるいは維持されるかを中心に調べた。 後者は、新潟県十日町地域で3年に一度行なわれる「大地の芸術祭」を対象としている。2012年に実施される予定であるので、2011年秋にプリテストを行ない、2012年の芸術祭期間中の本調査に備えた。 共に結果は現在取りまとめ中であり、2012年度前半には公表する予定であるが、前者については、以下のような結果が得られている。1)たとえばこれまでの通念であった「マタギの村」であっても狩猟が主たる生業とはいえず、昭和40年頃からは山林業などの賃仕事が大きな比重を占めていた。2)隣の集落まで約20kmという山中の隔絶した集落であるが他集落との通婚が行なわれていた。3)他集落との通交も山形側が主である家と新潟側が主である家があった。4)移転時に成人であった世代は移転後も密接なソーシャル・キャピタルを維持しているが、高校生以下であった世代は薄くなっていることがうかがわれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、佐渡についての調査に着手することにしていた。そのために現地の研究協力者を依頼していたが、事故のために今年度には実施できなかった。 十日町地域のプリテストについては、今年度中に結果を出す予定であったが、まだ解析が終わっていない。
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Strategy for Future Research Activity |
三面の調査結果については取りまとめ中であり、まとまりしだい公刊する。 十日町地域のプリテスト結果については春のうちに終わらせ、夏から開催される「大地の芸術祭」期間中の本調査に備える。 佐渡については、研究協力者の都合を確認し、場合によっては代替協力者を捜す。 前回からの継続である、旧朝日村高根地区と上越市桑取地区については、引き続きコンタクトを続ける。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今年度に調査する予定であった佐渡について、研究協力者の都合で着手できなかった。そのため調査費の一部が次年度に繰り越すこととなった。 十日町地域で大規模なアンケート調査を行なうため、その送付回収、データ入力等への支出が大きなウェイトを占める予定である。 また佐渡の調査に着手できた場合、その旅費の支出が大きくなると見込まれる。
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