2013 Fiscal Year Research-status Report
住宅インテリアにおける基調色の白色化が居住者に及ぼす心理・生理的影響
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23500912
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
佐藤 仁人 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (70363968)
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Keywords | インテリア / 色彩 / 白色化 / 印象 / 許容性 / 脳血流 / LF/HF |
Research Abstract |
平成25年度は,基調色の白色化の程度と照度が人間のリラックスの度合,眩しさ・視覚的疲労感への影響を評価することを目的として,実大実験空間において確証実験を実施した。 実大実験空間の天井はN9.5の白色とし,実験要因は壁,床の色彩とした。壁の色彩は白(N9.5)とアイボリー系オフホワイト色(5Y9/1.5),床の色彩は無彩色のN8とN6とした。色彩パターンはこれらを組み合わせた4パターンとした。 照度レベルは昼間の高照度を想定した5000lx及び通常照度の750lxの2水準とした。実験パターンは色彩パターンと照度レベルを組み合わせて8パターンとした。実験は,京都府立大学の視環境実験室内に,2.7m(D)×1.8m(W)×2.8m(H)の実大実験空間を2つ設置して行った。被験者は実大実験空間の中に入り,脳血流計測装置を装着した。これによって脳血流量,心拍,HF/LFなどの生理的測定を行った。また,並行して室内の印象,眩しさ・リラックスの度合い,色彩・眩しさの許容性などの主観評価が行われた。被験者は青年層と高年層とした。 心理評価に関しては,世代間でやや違いあるものの,壁色による影響が大きく,5Y9/1.5で心地よさやリラックス度合を高く感じる傾向がみられた。一方,N9.5では美しさなどの評価が高かったが,眩しさを強く感じている。照度は評価にはあまり影響しなかった。生理評価については,5Y9/1.5の壁面において左脳血流の増加,N9.5の壁面においてLF/HF比の増加傾向がみられた。よって5Y9/1.5ではリラックスして物事を考えている状態にあり,N9.5では緊張度が増すと推測される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は,住宅インテリアの基調色の白色化が居住者に及ぼす心理・生理的影響を評価することを目的としている。 平成23年度にはCGによる評定実験の他に,25年度に予定していた実大空間における確証実験を一部前倒しで実施した。 平成24年度は,実験室の高照度実験装置の設置に時間がかかったため,縮尺模型による確認実験を通常の照度レベルについてのみ実施した。 平成25年度は,24年度に実施予定であった高照度レベルでの縮尺模型実験を行うとともに,25年度の予定していた実大空間における確証実験を行った。 これまでの3年間において,照明光源の色温度の及ぼす心理的影響も無視できないことが判明したため,研究計画・期間を変更し,平成26年度に当該研究を実施する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,縮尺模型実験により,光源の色温度と基調色の白色化が及ぼす心理的影響を評価する予定である。 また,今までの研究成果を国内外の学会で発表する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
縮尺模型による光源の色温度と基調色の白色化が及ぼす心理的影響の評価実験が行われていないこと。 これまでの研究成果の国内外の学会での発表が遅れていること。 縮尺模型実験による光源の色温度と基調色の白色化が及ぼす心理的影響の評価実験の費用に使用する。また,これまでの研究成果の国内外の学会での発表のための費用に使用する。
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Research Products
(3 results)