2013 Fiscal Year Annual Research Report
水/エタノールを洗浄溶媒とする環境適合型ドライクリーニングシステムの構築
Project/Area Number |
23500917
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Research Institution | Bunka Gakuen University |
Principal Investigator |
米山 雄二 文化学園大学, 服装学部, 教授 (30556163)
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Keywords | ドライクリーニング / エタノール / 収縮 / ウール織物 / 活性炭 / 吸着 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ドライクリーニング業界において熱望されている人体・環境に安全・安心なドライクリーニング溶媒を用いた洗浄方法として、水/エタノール溶媒を使用した新しい洗浄技術の提案を目指すものである。 最終年度(平成25年)は洗浄液を一回の洗浄だけで廃棄するのではなく、自然環境および資源の有効活用の視点から、洗浄廃液中の汚れを活性炭により吸着除去して再生する検討を行った。ここで得られた知見は、学会で2件の発表を行った。その内容は、1)水/エタノール溶媒に溶解した汚れモデルの脂肪酸Naは、活性炭による吸着除去が可能であり、また実際の洗濯廃液を用いた場合でも、吸着除去が可能であることを把握した。2)実用を想定し、活性炭の入った吸着カラムに洗浄廃液を通過させて連続吸着する方法を検討した。その結果、実機の廃液量を100Lとした場合、活性炭500g、処理時間15分という実用可能な条件で再生できることを掴んだ。 平成23年度~25年度の研究期間を通して得た研究成果は、(1)水/エタノール溶媒を用いた洗浄における布収縮について、水の存在量と布収縮について把握した。(2)ウールスーツの実衣料およびクリーニング実機を用いた実用試験において収縮変形を把握し、その収縮変形を改善する基材として、潤滑性を有するシリコーンが有効であることを見出した。これにより、水/エタノール溶媒を用いて洗浄した時に収縮が発生するものの、アイロン仕上げで回復可能なレベルとすることができた。(3)水/エタノール溶媒を用いた洗浄の廃液は活性炭で吸着除去することが可能であり、実機レベルでの具体的条件を把握できた。 以上の結果より、水/エタノール溶媒を使用した環境適合型のドライクリーニングシステムを構築できた。
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Research Products
(2 results)