2013 Fiscal Year Annual Research Report
ハイリスクな子ども・家庭への早期対応と生活支援に向けた地域インフラ整備の検討
Project/Area Number |
23500919
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
大谷 由紀子 摂南大学, 理工学部, 准教授 (00411116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 千鶴乃 鳥取大学, 学内共同利用施設等, 講師 (60550944)
藤井 伸生 京都華頂大学, その他部局等, 教授 (50228954)
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Keywords | 子育て支援 / 要保護児童 / 地域福祉 / デンマーク |
Research Abstract |
本研究は、ハイリスクな子どもと家族を早期支援するための地域レベルでのインフラを検討することが目的である。国は2005年の児童福祉法改正により、虐待防止にかかる支援を第一義的に市町村が担うよう求め、全国の自治体に要保護児童対策地域協議会を設置した。しかし、国の政策評価では要保護児童対策地域協議会の活性化が必要と指摘している(2012年)。よって、本研究では2012年度に全国の自治体に質問紙調査を実施し(人口8万人以上を有する513自治体の子育て支援主管課)、要保護児童対策地域協議会の運営実態を把握した。2013年度は前年度に引き続き調査結果分析を行うと共に(分析対象257票)、各自治体の施策分析から効果的に運営する17自治体を抽出した。また、政令指定都市における制度運用の問題を明らかにした。 先行諸国の取組みについては、デンマークのコミューンにおけるハイリスクな子ども家族支援の政策を把握した。調査は人口規模別にコペンハーゲン(人口約54万人)とフレデリクソン(人口約4万人)を対象地とし、行政、実践現場への聞き取り調査を行い、制度と地域支援の全体像、実践事例の把握を行った。調査結果は以下のとおりである。①デンマークでは在宅での地域支援を最重要の予防と位置付け、人口規模に応じたエリア形成と措置権をもつ拠点を設置している。②地域支援はコミューン独自に運営し、コペンハーゲンでは約8万人に1ヶ所、措置権をもつファミリーセンターを設置し、ファミリーセンターを核にサービスを提供する実践現場がネットワークする。③実践現場ではファミリーハウスのように子どもと家族が安心できる環境で、かつ、同じ場所で継続してサポートできるようハード・ソフトの両方から計画されている。以上から我が国の地域支援に示唆を得ると共に、北欧諸国にネットワークするデンマーク社会研究所SFIと情報交換し研究協力の関係を築いた。
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