2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500925
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
香西 みどり お茶の水女子大学, 大学院人間文化創成科学研究科, 教授 (10262354)
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Keywords | 大麦 / 米 / 炊飯 / 糖 / 水分分布 |
Research Abstract |
大麦と米の混炊を行う過程において大麦は米よりも粒中心まで吸水されるまでの時間が長いこと、混炊においては吸水のはやい米が大麦より多く吸水してしまい両者の差が大きくなることがわかった。また水分分布も大麦のほうが不均一であった。60%搗精大麦を40%の割合で米と混炊した飯の官能評価は10段階評点法で平均6.06点であり、麦飯として受容されることがわかった。米と大麦のテクスチャーが異なることから、大麦の粘らない、粒感の好みには個人差があった。一方、85%搗精大麦の場合は平均3.88点であり、受容されなかった。大麦と米の混炊により、米単独炊飯より還元糖、全糖量が多い飯になることが明らかであった。炊飯過程の60℃付近を一定時間保つことにより還元糖が有意に増加したのは85%搗精大麦炊飯の場合であり、60%搗精大麦では有意差はみられなかった。飯中の糖量の変化には酵素作用が大きく影響するため大麦と米から粗酵素液を調製し、酵素活性を調べた。その結果、大麦は米に比較し顕著に高い酵素活性を示し、このことが混炊による還元糖の増加に関係することが明らかになった。加熱あっぺん処理している押麦ではこのような高い活性がみられなかったことから、丸麦と米の混炊においてのみ還元糖増加効果があることがわかった。全糖量と還元糖量の値からみかけの重合度を算出したところ、米よりも大麦の飯のほうが値が大きく、大麦の酵素による還元糖生成ではデンプンが大きく分解される傾向にあることがわかった。粗酵素液を用いて酵素活性の温度依存性を調べた結果、大麦では50℃付近に至適温度があり、米のそれは60℃付近であることから、混炊では炊飯温度履歴を50-60℃通過時間を長めにとると糖生成に寄与することが示唆された。
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