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2012 Fiscal Year Research-status Report

生活習慣病の改善に関与する食品中の新規機能性成分の探索

Research Project

Project/Area Number 23500941
Research InstitutionSenri Kinran University

Principal Investigator

日沼 州司  千里金蘭大学, 生活科学部, 教授 (60550522)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 長田 久美子  千里金蘭大学, 生活科学部, 教授 (90068502)
Keywordsマクロファージ / 増殖抑制 / リポソーム / クルクミン
Research Abstract

・前年度までの研究で、食品成分中にマクロファージ増殖抑制物質を見出すことができたので、当該年度はさらに強力な活性物質を探索し、有望と思われる化合物の絞り込みを行った。約100種にのぼる候補物質について、ヒト単球性白血病細胞株であるTHP-1、マウス骨髄からMCSFを利用して調製した正常マクロファージ、および比較対象としてマウス繊維芽細胞に対する増殖抑制活性を調べた結果、これまでのところ、前年度に見出した大豆のポリフェノールとして知られているゲニステインよりも強力なマクロファージ増殖抑制物質としてウコンの黄色の色素成分であるクルクミンを見出すことができた。
・クルクミンはTHP-1、マウス正常マクロファージ、L929のいずれに対しても強力な増殖抑制作用を示した。そのためクルクミンをマクロファージ特異的な抑制物質として利用できるようにするために、リポソームへの内包化を検討した。リポソームはリン脂質を利用して作製されるナノスケールの微粒子であるが、一般にリポソームは生体内に投与するとマクロファージを主体とする網内系に選択的に取り込まれる性質があることが知られている。そこでマクロファージがより選択的に取り込みやすいとされているフォスファチジルセリンを構成成分の一つとするリポソームへのクルクミンの内包化を検討した。その結果、比較的高濃度のクルクミン内包化リポソームを調製できるようになった。in vitro細胞培養試験系で、クルクミン内包化リポソームはTHP-1およびマウスマクロファージ細胞株のRAW264.7に対して強力な増殖抑制作用を示すことを確認した。
・その他に当該年度ではL929細胞を利用して、低血清濃度下で、細胞の生存を促進するような食品由来成分の探索を行ったが、明確な作用を示す物質を見出すことはできなかったので、この方向のさらなる探索、検討は中止することにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

「生活習慣病の改善に関与する食品中の新規機能成分の探索」を目標した当該年度までの研究において、具体的な活性探索の対象を食品成分のマクロファージ増殖抑制活性に絞り込み、強力な活性を有する食品成分としてクルクミンを当該年度に同定した。さらにクルクミンを利用してマクロファージを特異的に抑制するために、リポソームへの内包化についても検討し、効率よくクルクミンを内包化するための独自の方法を確立することができた。またin vitro細胞培養系で実際にクルクミン内包リポソームがマクロファージ系細胞株の増殖を強力に抑制することも確認できた。これらの結果に基づいて、特許出願を行った。以上の成績より、本研究は順調に進行していると判断している。

Strategy for Future Research Activity

・今後はin vitroでの検討を進めるのと同時にクルクミン内包リポソームをマウスに投与して、in vivoで実際にマクロファージの増殖抑制に利用できるかどうかについて検討を進める。
・マクロファージは生活習慣病と関連している糖尿病や固形癌の進展に寄与している場合があることが知られている。in vivoでクルクミン内包リポソームによる効果的なマクロファージのノックダウンができることが確認できるようであれば、動物疾患モデルに対するクルクミン内包リポソームの影響の検討を目指したい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

・実験補助者の雇用(1名)に50%を使用予定。
・試薬類(細胞培養用培地等)、消耗品(シャーレ、フラスコ、ピペット、その他プラスチック製品)、動物実験関連に50%を使用予定。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Patent(Industrial Property Rights) (1 results)

  • [Patent(Industrial Property Rights)] マクロファージ機能抑制及び/又は癌細胞増殖抑制2012

    • Inventor(s)
      日沼州司
    • Industrial Property Rights Holder
      日沼州司
    • Industrial Property Rights Type
      特許特願2012-169173
    • Industrial Property Number
      特願2012-169173
    • Filing Date
      2012-07-31

URL: 

Published: 2014-07-24  

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