2013 Fiscal Year Research-status Report
学校における子どもの情緒的安定を目指した食生活教育プログラムの開発に関する研究
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23500950
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
新井 猛浩 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (80292407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠本 健二 山形大学, 教育文化学部, 講師 (90398008)
大村 一史 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (90431634)
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Keywords | 衝動性傾向 / 質問紙調査 / 食生活 |
Research Abstract |
衝動性検査には簡便な方法として質問紙による測定が行われている。これにはBIS-11やBIS/BAS尺度が挙げられるが、成人のデータを元に作成されており、児童生徒への適用は検討されていない。本年度の研究計画では、これまで成人のみを対象として確立されてきた質問紙法による衝動性傾向の把握が、児童生徒を対象とした場合でもどこまで検査としての妥当性を保てるのか、妥当性が低いとしたら、どの点を改良していけばよいかを探索的に検討し、児童生徒用の衝動性質問紙を作成することが大きな目的であったが、当初から見込んでいたような結果が得られていないのが現状である。 今後さらに児童生徒用の質問紙の妥当性を見極めつつ改良を進め、子どもの食生活と衝動性傾向との関連性を踏まえた介入研究へ速やかに移行できるように研究活動を展開していきたい。 一方、生活リズムや栄養摂取状況と併せて把握すべき子どもの食生活の内容として、ふたつの構成概念を想定することができた。食事の世話を無条件にしてもらっているという感覚と誰かと一緒に食べ物を分け合いたいという感覚である。これらの感覚を食生活の指標として用いることができるのか、今後その妥当性をさらに検討する。 食べさせてもらっていることに対する感謝の気持ち、親との関係にどの程度満足しているか、自分という存在が価値あるものだと思えるか、分け合いたい友達がいるか、好物でも友達のために取り置きたいと思うかなどを測定変数としてこれらの概念が表現できれば、子どもの食生活と情緒的安定との関連を検討するための有効な指標になるものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究協力者を十分確保することが難しかったこともあり、児童生徒用の衝動性傾向を把握するための質問紙の作成が当初の予定通りに進んでいない。そのため、次の研究段階である介入研究に取りかかることができないでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
調査協力を依頼する学校の範囲を広げ、十分な研究協力者を確保できるように研究者が学校に出向いてより詳細な説明を行う機会を増やしていく。本研究により期待される成果が、教育現場での個別の神経心理学的な検査などより簡便に子どもの情緒的状態を把握することにつながると理解していただけるように説明し、同意を得られるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初見込んでいた研究協力者数を確保できなかった。そのため謝金、調査のための旅費などが支出されていないため。 研究協力者への謝金と調査のための旅費、印刷経費などとして支出する。
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