2014 Fiscal Year Research-status Report
学校における子どもの情緒的安定を目指した食生活教育プログラムの開発に関する研究
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23500950
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
新井 猛浩 山形大学, 教育文化学部, 教授 (80292407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠本 健二 山形大学, 教育文化学部, 講師 (90398008)
大村 一史 山形大学, 教育文化学部, 准教授 (90431634)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2016-03-31
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Keywords | 質問紙調査 / 衝動性傾向 / 食生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
衝動性検査には簡便な方法として質問紙による測定が行われている。これにはBIS-11やBIS/BAS尺度が挙げられるが、成人のデータを元に作成されており、児童生徒への適用はあまり検討されていない。本年度の研究計画では、昨年度から引き続いて成人のみを対象として確立されてきた質問紙法による衝動性傾向の把握が、児童生徒を対象とした場合でもどこまで検査として妥当性を保てるのか、妥当性が低いとしたら、どの点を改良していけばよいかを探索的に検討し、児童生徒用の衝動性質問紙を作成することが大きな目的であった。しかしながら当初から見込んでいたような結果が未だ得られていないのが現状である。妥当性検証のための裏付けを担任教師や保護者の行う児童生徒の行動評価に求めているところであるが、この評価を得るのに手間取っていることがその大きな原因である。今後さらに児童生徒用の質問紙の妥当性を見極めつつ改良を進め、子どもの食生活と衝動性傾向との関連性を踏まえた介入研究へ速やかに移行できるように研究活動を展開していきたい。 一方、食事の世話を無条件にしてもらっているという感覚や誰かと食べ物を分け合って食べたいという感覚など、肯定的な自尊感情を育むために重要な感覚を測定することで子どもの食生活の指標として用いることができる見通しをある程度持つことができた。食べさせてもらっていることに対する感謝の気持ち、親との関係にどの程度満足しているか、自分という存在が価値あるものだと思えるか、食べ物を分け合いたい友達がいるか、自分の好物でも友達のために取り置きたいと思うかなどを測定変数とした調査をさらに進めることの意義を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究協力者を十分確保することが難しかったこともあり、児童生徒用の衝動性傾向を把握するための質問紙の作成が予定通りに進んでいない。そのため、次の研究段階である介入研究に取りかかることができないでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
調査協力を依頼する学校の範囲を広げ、十分な研究協力者を確保できるように研究者が学校に出向いてより詳細な説明を行う機会を増やしていく。本研究により期待される成果が、教育現場での個別の神経心理学的な検査などより簡便に子どもの情緒的状態を把握することにつながると理解していただけるように説明し、同意を得られるようにする。
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Causes of Carryover |
子ども用の衝動性質問紙の作成に時間がかかっており、研究の進捗が大幅に遅れている。そのために当初見込んだような教育プログラムによる介入研究が十分に実施出来ていない状況にある。栄養摂取状況の解析にかかる費用や旅費、謝金等を予定通り支出しなかったために未使用額が発生している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
習慣的な栄養摂取状況解析ツールのライセンス更新と研究協力者への謝金、旅費、印刷経費等に支出する。
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