2011 Fiscal Year Research-status Report
途上国における食と生活習慣によるアルツハイマー病発症のリスク評価と予防法の構築
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23500953
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
翠川 薫 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), リサーチアソシエイト (20393366)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 真理子 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10171141)
翠川 裕 鈴鹿医療科学大学, 保健衛生学部, 准教授 (10209819)
中村 哲 独立行政法人国立国際医療研究センター, 研究部, 室長 (40207874)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / ラオス / アルツハイマー / 生活習慣病 / 食生活 |
Research Abstract |
本研究は、先進国で増加し深刻な社会問題となっているアルツハイマー病(以下、AD)が、途上国においても将来同様に増加していくのか、これまでの知見を検証しながら途上国での発症リスク評価を行う事を目的にしている。ラオスでのこれまでの調査で、都会ではメタボリックシンドローム予備群の割合が予想以上に高く、地方の山岳少数民族との格差が明らかであった。AD 罹患リスクは糖尿病患者で高く、特にAD危険因子ApoE遺伝子のe4が伴う場合は、さらに高くなる報告がある事から、都会での糖尿病増加は深刻と考える。また我々の調査で明らかになった有害金属汚染の地下水も重要な課題の一つである。当該年度では、医療統計を収集し、次世代を担う子供達についての健康調査を成人と同じ村の15歳までの子供を対象に行った。その結果、成人と異なり、首都圏と地方山岳の8歳以下の子供に体格の有意な差は認められなかった。地方山岳の調査対象者にマラリア罹患者はいなかった事から、2003年から始まったマラリア対策と少数民族への乳幼児の重点的支援の効果によるものと推測された。メタボリックシンドロームとは無縁だった少数民族が、経済・医療支援により体格改善され将来急速に生活習慣病等が増加していく可能性がある。我々の調査で少数民族はApoEe4を持つ割合が高い事から、この研究は将来非常に重要な意義を持つと考える。首都圏の調査村において、我々が特定したヒ素等の汚染井戸の情報提供により、住民の健康意識が高まり、水道普及の要求書が関係機関へ提出された。同時に我々もラオス保健省副大臣及び国立衛生研究所長へ現状報告を行った。特に汚染井戸の所有者は、9月には汚染井戸を閉鎖し新たな井戸を引いており、その水にはヒ素汚染は認められなかった。本研究は住民の安全を守る重要な取り組みであり、情報提供による住民の健康意識の向上と行動変化は、大変意義がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究継続の成果により当該国の研究機関との信頼関係が良好であり、協力体制が確立されているので、調査時の協力スタッフや情報提供などがスムーズに行われ、おおむね目標どおりの成果が得られている。当該年度においても、調査対象村において、小児の健康調査と住民の検便調査に協力機関の医師と村人の協力により成果を得ることができた。病院での認知症の患者の探索はなかなか難しいが、これも予想通りではあるので、引き続き病院医師との連携を継続していくことが重要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画どおり、引き続きフィールド調査で、環境水や食品の有害金属汚染と、住民の健康診査を行うと供に、痴呆症患者の聞き取り調査を実施する。また、培養細胞を使った環境因子や食因子の検討を行う。特に地下水の有害金属類汚染が住民の健康に影響していないかどうか、また近郊の村にも汚染が及んでいないかの調査も可能な限り実施していきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H23年度は、研究協力者の出張期間が本人の都合により短縮された事と、パスツール研究所からの人件費およびレンタカーの提供などにより、予定額より支出が抑えられた為、未使用額が生じた。24年度は、23年度未使用額と合わせて、当該国フィールド調査のための出張費、研究協力者への謝金、健康調査のための器材購入費(HbA1cおよび血糖値測定器等)、水と食品の有害金属の汚染状況を測定するための試薬・器材、毛髪からの有害金属検出と血液サンプルからの遺伝子解析の委託費、アンケート・健康診断用紙・報告書等の印刷費、培養細胞実験の試薬等に計画どおり使用する。
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Research Products
(5 results)