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2011 Fiscal Year Research-status Report

食生活の偏りが自己免疫疾患やアレルギー疾患に及ぼす影響と腸内菌叢の関わりについて

Research Project

Project/Area Number 23500957
Research InstitutionThe University of Tokushima

Principal Investigator

有持 秀喜  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (30311822)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 片岡 佳子  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (40189303)
Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords高脂肪高糖分食 / コラーゲン誘発関節炎
Research Abstract

食生活の偏りが起きているのと同時に、アレルギー疾患などの免疫系が重要な役割を果たしている病気が増加している。近年、免疫系の正常な発達、維持には腸内菌が重要な役割を果たしていることが示されていることから、食生活の偏りが腸内菌叢の乱れを引き起こし、免疫系のバランスを崩す可能性が考えられ、このことが病気の増加の要因の一つではないかと考えられる。しかし、免疫系が関与する疾病が食生活の乱れによってどのような影響を受けるのかは完全に明らかにされていない。そこで、脂肪と蔗糖の過剰摂取が自己免疫疾患であるリューマチ様関節炎の発症に及ぼす影響をモデルマウス用いて検討した。7週齢の雄のDBA/1Jマウスを6匹購入し、3匹ずつ2群に分けて通常食(オリエンタル酵母工業製MF diet)および高脂肪高糖分食(オリエンタル酵母工業製F2HFHSD diet、脂肪30%、ショ糖20%含有)を与えて飼育した。飼育開始から3日後および24日後に完全フロイントアジュバントで懸濁した牛由来の2型コラーゲンをマウス1匹あたり200μg皮下投与し、関節炎を誘発させた。飼育開始から26日目に高脂肪高糖分食投与群の体重は29.8 gとなって通常食投与群の約1.3倍に増加し、その後も体重の差は継続して観察された。関節炎は通常食投与群では26日目から、高脂肪高糖分食投与群では32日目から発症が見られ、高脂肪高糖分食投与群の方が遅かった。最終的な関節炎発生率も通常食投与群では3匹中3匹が発症したのに対し、高脂肪高糖分食投与群では3匹中2匹しか発症しなかった。また、関節の腫れをスコア化した関節炎スコアでも通常食投与群では2.83であったのに対し、高脂肪高糖分食投与群では1.50であった。これらの結果より高脂肪高糖分食は2型コラーゲン投与によるDBA/1Jマウスの関節炎に対し、少なくとも促進する効果はないと考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

予想に反して、高脂肪高糖分食は2型コラーゲン投与によるDBA/1Jマウスの関節炎に対し、少なくとも促進する効果はなく、むしろ抑制気味に働いたので、現在、再現性を確認する為の実験を準備中である。確認実験ではマウスの匹数を増やし、脂肪および糖分の含有量を増加した飼料を使用する予定である。

Strategy for Future Research Activity

高脂肪高糖分食が2型コラーゲン投与によるDBA/1Jマウスの関節炎発症に与える影響については、再現性を確認する為、マウスの匹数を増やし、脂肪および糖分の含有量を増加した飼料を使用して実験を行う。そして実験飼料による関節炎の増悪効果が確認された場合、組織学的検査を行い、炎症性細胞の浸潤の程度などを比較検討する。また、関節炎の悪化と腸内菌叢の変化との関連を調べるため、T-RFLP法を用いて腸内菌叢を解析し、腸内菌叢の解析で顕著な変動を見せた腸内菌を用いてDBA/1Jマウスの擬似的ノトバイオートを作成したり、各種抗生物質を投与して腸内菌叢に変化を与えたマウスを作成したりして、関節炎の発症に及ぼす影響を評価することで、腸内菌叢の変化が関節炎の発症に与える影響を検討する。関節炎発症マウスにおける免疫学的、血清学的検討を行うため、四肢の関節や腸管、脾臓、リンパ節などを回収し、CD3、CD4、CD8、B220などのリンパ球表層マーカーや、IL-10、IL-17、IFN‐γ、TNF-αなどのTh1・Th2サイトカインに対する標識抗体を用いて細胞外染色、細胞内染色を行い、フローサイトメーターでリンパ球の特徴付けを行う。また、血清中のサイトカイン濃度を、ELISA法を用いて測定する。分子レベルでの機序の解析を行うため、試験食を与えたDBA/1Jマウスに抗マウスCD98抗体を腹腔内投与し、コラーゲン誘発関節炎を誘導することで、関節炎発症におけるCD98分子の影響を検討する。また、1型糖尿病を自然発症するメスのNODマウスを用いて関節炎発症モデルと同様な実験を行う。病態は尿糖値と血清グルコース濃度を測定することで評価し、組織学的検査、免疫学的検査は膵臓について行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年3月中に発注した試薬などについて支払い手続きが4月にずれ込んでしまったため、繰越が生じているような表記となっているが、昨年度のうちに予算をすべて使い切るように試薬などを注文しているので実質上の繰越額は0円である。今年度の予算は交付申請書に記載したとおりに使用する予定である。

  • Research Products

    (6 results)

All 2012 2011

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] Notch2 regulates the development of marginal zone B cells through Fos2012

    • Author(s)
      Shuichi Iwahashi
    • Journal Title

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      Volume: 418 Pages: 701-707

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Manipulation of CD98 Resolves Type 1 Diabetes in Nonobese Diabetic Mice2012

    • Author(s)
      Gaojian Lian
    • Journal Title

      The Journal of Immunology

      Volume: 185 Pages: 2227-2234

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] In Vitro Cytotoxic Effect of Ethanol Extract Prepared From Sporophyll of Undaria pinnatifida on Human Colorectal Cancer Cells2012

    • Author(s)
      Naoyoshi Nishibori
    • Journal Title

      Phytotherapy Research

      Volume: 26 Pages: 191-196

    • DOI

      10.1002/ptr.3527

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Effects of fermented brown rice on the intestinal environments in healthy adult2011

    • Author(s)
      Hideyuki Nemoto
    • Journal Title

      The Journal of Medical Investigation

      Volume: 58 Pages: 235-245

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] CD98はT細胞の増殖応答に必要である2011

    • Author(s)
      栗原健士
    • Organizer
      日本免疫学会
    • Place of Presentation
      幕張メッセ(千葉県)
    • Year and Date
      2011年11月28日
  • [Presentation] CD98の阻害はTリンパ球の活性化抑制を介して1型糖尿病の進行を抑える2011

    • Author(s)
      LIAN Gaojian
    • Organizer
      日本免疫学会
    • Place of Presentation
      幕張メッセ(千葉県)
    • Year and Date
      2011年11月28日

URL: 

Published: 2013-07-10  

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