2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23500959
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
受田 浩之 高知大学, 教育研究部総合科学系, 教授 (60184991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島村 智子 高知大学, 教育研究部総合科学系, 准教授 (50350179)
柏木 丈拡 高知大学, 教育研究部総合科学系, 准教授 (60363256)
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Keywords | 茶 / 発酵茶 / 味 / 機能性 / 抗酸化活性 / 脂肪代謝調整機能 |
Research Abstract |
高知県長岡郡大豊町で生産されている世界的に見ても珍しい二段階発酵茶「碁石茶」の二次機能 (感覚機能) と三次機能 (生体調節機能) に関する研究を実施した。本研究は,分析化学的手法による詳細な解析を行うことで,現在まで継承されてきた生産方法の必然性を食品機能化学的に解明し,地域文化の「暗黙知」を市場価値の「形式知」へ科学的に変換することを目的としたものである。今年度は特に三次機能 (生体調節機能)に重点を置き研究を進めた。結果は下記の通りであった。 抗酸化活性 (スーパーオキシドアニオン消去活性):昨年度までの研究により,碁石茶の酢酸エチル抽出物中に含まれる主要抗酸化成分としてガロカテキンとピロガロールが同定されている。そこで今年度は,碁石茶の水抽出物中に含まれる抗酸化成分の特定を試みたところ,(1S, 3S, 4R)-3,4-dihydroxylcyclohexanecarboxylic acidあるいはその鏡像体が新たに同定された。今後,本物質の含有量,ならびに抗酸化活性への寄与率を明らかにする。 脂肪代謝調節機能:3T3-L1細胞 (マウス前駆脂肪細胞) を用いた脂肪代謝調節機能評価を行ったところ,碁石茶抽出物 (1 mg当量/mL) に脂肪蓄積抑制効果が認められた。また,ODSカラムを用いた分画 (水,10,30,50,100% MeOH) を行ったところ,30%MeOH画分に脂肪蓄積抑制効果が認められた。今後,本効果に関与する物質の特定を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,平成24年度は碁石茶の機能性に関する研究に重点的に取り組んだ。新たな抗酸化成分の同定を達成するとともに,脂肪代謝調節機能という新たな機能性も見出した。このことから,本研究課題はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度も機能性に関する研究を継続的に行う。特に,脂肪代謝調節機能に関与する成分の特定に重点的に取り組む。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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Research Products
(2 results)