2013 Fiscal Year Annual Research Report
胎生期低栄養に起因する肥満のポリフェノールによる代謝制御とその分子機構の解明
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23500960
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
佐藤 伸 青森県立保健大学, 健康科学部, 教授 (40310099)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向井 友花 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (60331211)
藏崎 正明 北海道大学, 地球環境科学研究科(研究院), 助教 (80161727)
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Keywords | 胎生期低栄養 / 肥満 / 植物ポリフェノール / AMP活性化プロテインキナーゼ |
Research Abstract |
胎生期に蛋白制限に曝された児におけるレスベラトロール(RSV)の生理的役割を明らかにするために、妊娠期低栄養の母ラットの授乳期にRSVを経口投与し、雌雄仔ラットのエネルギー代謝や脂質代謝に及ぼす影響を検討した。 妊娠Wistar系ラットを、妊娠期に20%あるいは8%カゼイン含有飼料を与えた群(C群あるいはLP群)に分けた。授乳期では母ラットにRSV(20 mg/kg BW)あるいはvehicleである0.5%カルボキシメチルセルロース(CMC)を経口投与し、C群にCMC投与した群(CC群)、C群にRSV投与した群(CCR群)、LP群にCMC投与した群(LPC群)及びLP群にRSV投与した群(LPR群)を設定した。3週齢に血漿及び肝臓を採取した。残りの仔ラットは36週齢時に解剖し、血漿グルコース(Glc)及びトリグリセリド(Tg)を測定した。肝臓中のAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)及びアセチルCoA カルボキシラーゼ(ACC)の活性はウェスタンブロット法により解析した。 3及び36週齢の雌雄仔ラットの群間ではいずれもGlc及びTg値に差はなかった。3週齢の雌性仔ラットの肝臓中AMPKのリン酸化量はCC群やLPC群に比べてLPR群で増加した。このことは、RSVは雌性仔ラットのAMPK活性を上昇させることを示していた。36週齢の雌性仔ラットのAMPKのリン酸化量は、LPC群と比べてLPR群で、またCC群と比べてCCR群で、それぞれ増加傾向がみられた。一方、雄性仔ラットでは、3及び36週齢ともにAMPKのリン酸化量には差はみられなかった。3週齢雌性仔ラットにおけるACCのリン酸化量は、LPC群に比べてLPR群で増加傾向を示した。以上から、胎生期に蛋白制限に曝された仔ラットが、授乳期にRSVを摂取した母ラットに哺育された場合、雌性仔ラットの肝臓中のAMPK活性は上昇することが明らかになった。
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Research Products
(6 results)