2012 Fiscal Year Research-status Report
イソフラボンを含む各種健康食品の併用摂取による複合エストロゲン活性に関する研究
Project/Area Number |
23500965
|
Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
川添 禎浩 京都女子大学, 家政学部, 教授 (00224783)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 香 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (10336787)
|
Keywords | 食品 / 衛生 / 健康食品 / サプリメント / イソフラボン / エストロゲン |
Research Abstract |
生活者の健康管理の高まりによって健康食品が注目されている。健康食品の安全性としては、過剰摂取・長期摂取、医薬品との相互作用がある。しかし、健康食品を数種類摂取する場合もあり、その安全性にも注視する必要がある。そこで、健康食品の複数摂取の研究モデルとして、イソフラボンを含む各種健康食品を併用摂取した場合の複合エストロゲン活性に関する研究を行うことを目的とした。具体的には、各種健康食品(サプリメント)のイソフラボン含有量を調べ、in vitroで各種健康食品の素材の併用時の複合エストロゲン活性を検討し、併用摂取時の安全性を摂取量と作用の両面から考察することとした。 ドラッグストアやインターネットを通じて収集した、クズ(PL)、レッドクローバー(RC)、プエラリアミリフィカ(PM)、アルファルファ(AF)、大豆イソフラボン(DI)を含むサプリメントについて、大豆イソフラボン12種類、formononetin、puerarin、biochanin AをHPLCで分離定量した。PLおよびRCサプリメントにおいて高濃度のイソフラボンを含む製品があった。AFサプリメントではイソフラボンはほとんど含まれていなかった。また、素材として、DI抽出物、RCエキス末、PM末を収集、および葛根水抽出物 (KD)を作成し、イソフラボン含有量を調べたところ、DI抽出物>KD >RCエキス末>PM末の順であった。 各種サプリメントの素材のエストロゲン活性をin vitroで調べるための予備的検討を行った。素材にはイソフラボンの配糖体が含まれるため酵素処理し、溶媒抽出を行い、試験溶液を調製した。ヒトエストロゲンレセプター遺伝子(hER-α)が組み込まれた酵母を用いる酵母two-hybrid法において、各素材の試験溶液の単独のエストロゲン活性に関する用量反応曲線を得るための濃度設定を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究では、収集した数多くのサプリメントおよびそれらの素材中の大豆イソフラボン12種類、formononetin、puerarin、 biochanin Aの合計15種類をHPLCで分析した。サプリメントの素材のエストロゲン活性をin vitroの酵母two-hybrid法で調べる予備的検討としては、各素材の試験溶液の単独のエストロゲン活性に関する用量反応曲線を得るための濃度設定まで行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
イソフラボンを含んだサプリメントの素材の併用時の複合エストロゲン活性をin vitroの酵母two-hybrid法で調べる。まず、イソフラボンを含んだサプリメントの素材として、KD、DI抽出物、RCエキス末、PM末を用い、イソフラボンの配糖体に対する酵素処理を行い、溶媒抽出し、試験溶液を調製する。次に、hER-αが組み込まれた酵母two-hybrid法において、各素材の試験溶液の単独のエストロゲン活性の用量反応曲線を詳細に調べ活性の強さを比較する。さらに、酵母two-hybrid法において、素材の試験溶液を二種類併用した(例:DI抽出物+RCエキス末)場合のエストロゲン活性を調べる。単独の場合のエストロゲン活性と併用の場合の複合エストロゲン活性を比較し、活性の変動として相加や拮抗があるかを調べる。 イソフラボンを含む各種サプリメントの併用摂取時の安全性について、各種サプリメントのイソフラボン含有量およびin vitroでのサプリメントの素材の併用時の複合エストロゲン活性を基に総合的に考察する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・次年度に使用する予定の研究費が生じた状況 平成24年度は、平成23年度に未完了であったサプリメント中のイソフラボン含有量を調べた。収集した数多くのサプリメントに含まれる、大豆イソフラボン12種類、formononetin、puerarin、 biochanin Aの合計15種類をHPLCで分析した。また、サプリメントの素材についても同様の分析を行った。分析に時間を要したため、各種サプリメントの素材のエストロゲン活性をin vitroの酵母two-hybrid法で調べる検討は、各素材の試験溶液の単独のエストロゲン活性に関する濃度設定までとなり、次年度に各素材の試験溶液の単独のエストロゲン活性の用量反応曲線を詳細に調べ活性の強さを比較することとした。 ・次年度に使用する予定の研究費と翌年度以降に請求する研究費とを合わせた使用計画 まず、平成24年度に予備的検討を行ったin vitroの酵母two-hybrid法において、各種サプリメントの素材の単独のエストロゲン活性の用量反応曲線を調べる。次に、交付申請書の平成25年度研究計画の、1)酵母two-hybrid法でイソフラボンを含んだサプリメントの素材の併用時の複合エストロゲン活性を調べる、2)サプリメントの併用摂取時の安全性の考察および成果の取りまとめ(平成23年度~25年度の成果の取りまとめ)を行う。
|