2013 Fiscal Year Research-status Report
イソフラボンを含む各種健康食品の併用摂取による複合エストロゲン活性に関する研究
Project/Area Number |
23500965
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
川添 禎浩 京都女子大学, 家政学部, 教授 (00224783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 香 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (10336787)
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Keywords | 食品 / 衛生 / 健康食品 / サプリメント / イソフラボン / エストロゲン |
Research Abstract |
生活者の健康管理の高まりによって健康食品が注目されている。健康食品の安全性としては、過剰摂取・長期摂取、医薬品との相互作用がある。しかし、健康食品を数種類摂取する場合もあり、その安全性にも注視する必要がある。そこで、健康食品の複数摂取の研究モデルとして、イソフラボンを含む各種健康食品を併用摂取した場合の複合エストロゲン活性に関する研究を行うことを目的とした。具体的には、各種健康食品(サプリメント)のイソフラボン含有量を調べ、in vitroで各種健康食品の素材の併用時の複合エストロゲン活性を検討する。その上で、併用摂取時の安全性を摂取量と作用の両面から考察することとした。 ドラッグストアやインターネットを通じて収集した、クズ(PL)、レッドクローバー(RC)、プエラリアミリフィカ(PM)、アルファルファ(AF)、大豆イソフラボン(DI)を含むサプリメントについて、大豆イソフラボン12種類、formononetin、puerarin、biochanin AをHPLCで分離定量した。PLおよびRCサプリメントは高濃度のイソフラボンを含む製品があった。AFサプリメントではイソフラボンはほとんど含まれていなかった。また、素材として、DI抽出物、RCエキス末、PM末を収集、および葛根水抽出物 (KD)を作成し、イソフラボン含有量を調べたところ、DI抽出物>KD >RCエキス末>PM末の順であった。 次に、in vitroのヒトエストロゲンレセプター遺伝子(hER-α)が組み込まれた酵母を用いるtwo-hybrid法で、各種サプリメントの素材の併用時の複合エストロゲン活性を調べることとした。各素材の単独のエストロゲン活性の用量反応曲線を調べ、エストロゲン活性の強さを比較したところ、DI抽出物>RCエキス末>KD>PM末の順となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究では、in vitroの酵母two-hybrid法で、各種サプリメントの素材の単独のエストロゲン活性の用量反応曲線を調べ、活性の強さを比較した。次に、素材を併用した場合のエストロゲン活性を調べるための予備的試験で、単独のエストロゲン活性を調べる方法で用いた用量をそのまま併用して複合エストロゲン活性を調べたが、良好な結果を得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
イソフラボンを含んだサプリメントの素材の併用時の複合エストロゲン活性をin vitroのhER-αが組み込まれた酵母two-hybrid法で調べる。まず、イソフラボンを含んだサプリメントの素材として、KD、DI抽出物、RCエキス末、PM末を用い、それらの単独のエストロゲン活性を調べる際に用いた用量を参考に、複合エストロゲン活性に用いる濃度、すなわち希釈率などを検討する。その上で、素材の試験溶液を二種類併用した(例:DI抽出物+RCエキス末)場合のエストロゲン活性を調べる。単独の場合のエストロゲン活性、併用の場合の複合エストロゲン活性の比較および活性の変動として相加や拮抗があるかを調べる。 イソフラボンを含む各種サプリメントの併用摂取時の安全性を、各種サプリメントのイソフラボン含有量およびin vitroでのサプリメントの素材の併用時の複合エストロゲン活性をもとに総合的に考察する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は、平成24年度に予備的試験検討を行ったin vitroの酵母two-hybrid法で、各種サプリメントの素材の単独のエストロゲン活性の用量反応曲線を調べ、活性の強さを比較した。次に、素材を併用した場合のエストロゲン活性を調べるための予備的試験を行ったが、単独のエストロゲン活性を調べる方法で用いた用量を単純に併用し複合エストロゲン活性を調べても良好な結果を得られなかった。そこで、次年度に複合エストロゲン活性に用いる濃度を詳細に検討し、本試験を行い、サプリメントの併用摂取時の安全性の考察および成果の取りまとめを行うこととした。 まず、平成25年度のin vitroの酵母two-hybrid法における検討、すなわち各種サプリメントの素材の単独のエストロゲン活性を調べる際に用いた用量を参考にして、平成26年度は複合エストロゲン活性に用いる濃度、すなわち希釈率などを検討する。次に、1)酵母two-hybrid法でイソフラボンを含んだサプリメントの素材の併用時の複合エストロゲン活性を調べる、2)サプリメントの併用摂取時の安全性の考察および成果の取りまとめを行う。
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