2012 Fiscal Year Research-status Report
ペプチドミルクによる低アレルゲン経口免疫療法の確立
Project/Area Number |
23500973
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
犬尾 千聡 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教 (30586780)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇理須 厚雄 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (20193972)
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Keywords | 食物アレルギー / 免疫療法 |
Research Abstract |
初年度で行ったオープン法による食物負荷試験の結果をふまえて、症状が誘発されやすい量を確認し、20mlを総負荷量とする食物負荷試験が適当と判断した。今年度はさらに厳密に食物アレルギーを診断するために、二重盲検食物負荷試験をおこなった。 まず、3例の牛乳アレルギー患者に対してペプチドミルク(森永乳業 E赤ちゃん)、普通ミルク(森永乳業 はぐくみ)、加水分解ミルク(森永乳業 MA-mi)を用いた二重盲検食物負荷試験を行った。いずれの症例でも加水分解ミルクでは症状が誘発されず、少量の普通ミルクで症状が誘発されたため、牛乳アレルギーと正確に確定診断できた。ペプチドミルク摂取可能量と普通ミルク摂取可能量を比較したところ、ペプチドミルクで摂取可能量が多いか、同一量を摂取した場合でも誘発症状が軽微であったため、牛乳アレルギー患者に対するペプチドミルクの安全性を確認することができた。 森永乳業でブラインド化した食品(ペプチドミルク、加水分解ミルク)を作成し、二重盲検食物負荷試験で牛乳アレルギーと診断された患者に連日ブラインド化した食品の摂取を開始した。 末梢血の好塩基球活性化の表面マーカーであるCD203cでスキムミルク、カゼイン、ホエイ、E赤ちゃん抗原に対する活性化を確認し、50%以上陽性から20%以下陽性までの評価に値する希釈系列を定めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
二重盲検食物負荷試験でペプチドミルクが牛乳に比べて遥に多量の摂取が可能であることがわかった。現在、森永乳業よりブラインドされた食品(ペプチドミルク、加水分解ミルク)を供給していただき、現在毎日自宅にて摂取を続けている。現在4例エントリーしているが、症例数を今後も増やしていくことが必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
当初はペプチドミルク20mlを毎日自宅で摂取していく計画だったが、摂取可能量が20ml以下の被験者もいるため、摂取量を調節した。 今後は、インターネットを利用した研究の告知を行い、より多くの患者エントリーを目指していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
情報収集のための、アレルギー関連の学会出張、森永乳業との打ち合わせのための旅費 200,000円。データの統計処理に必要なコンピュータ部品、ソフトウェアで200,000円。好塩基球の活性化を評価するためにCD203c測定キット;1キット100,000円として、4キット、400,000円。特異的IgE、特異的IgG、IgG4、IgA<カゼイン,αラクトアルブミン,βラクトグロブリン>(外注); 400,000円。
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Research Products
(1 results)