2013 Fiscal Year Annual Research Report
微量元素の過剰摂取が老人性神経障害に与える影響及び摂取量のモニタリング方法の開発
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23500978
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
吉田 香 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (10336787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
魏 民 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70336783)
川添 禎浩 京都女子大学, 家政学部, 教授 (00224783)
北村 真理 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (40369666)
寺本 勲 (木俣 勲) 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20153174)
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Keywords | 微量元素 / 脳神経障害 / 動物行動試験 / マウス / サプリメント / 過剰摂取 / モニタリング |
Research Abstract |
近年、人々の健康への関心が高まり、サプリメントを常用する人が増えている。食物とサプリメントを組み合わせた摂取により微量元素の過剰摂取が起こる可能性がある。これまでの研究で、天然原料サプリメントに老人性神経変性に関与するマンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、銅(Cu) および鉄(Fe)が多く含まれているものがあること、サプリメントの摂取状況および意識調査により中高年者で天然原料サプリメントと食事の合わせた摂取により微量元素の過剰摂取の可能性があることを示した。また、加齢雄マウスへのMn、ZnまたはCuの14か月間飲水投与により、MnおよびCu投与で長期記憶能の低下が認められた。 今年度は、昨年度に引き続き、MnおよびZnの単独または組み合わせ長期投与が高齢マウスの学習・記憶障害に及ぼす影響を調べるため、25週令雌マウスにMn(100ppm)、Zn(100ppm)およびMn+Zn (50ppm+50ppm)水溶液を飲料水として50週間自由摂取させ、ビデオトラッキングシステムを用い、Y字型迷路試験、新奇物質探索試験およびステップ・スルー型受動的回避学習試験を行った。受動的回避試験は長期記憶、Y字型迷路試験は短期記憶、新奇物質探索試験は視覚的認知記憶を調べるものである。その結果、Y字型迷路試験では群間に差は認められなかったが、新奇物質探索試験では対照群に比べZn群とMn+Zn群で記憶能の低下が、受動的回避学習試験では、特にMn 群で記憶能の低下が認められた。行動試験終了後に行った生化学試験では、肝、腎、膵臓毒性は認められなかった。また、脳組織のHE染色および免疫組織化学染色では、対照群と投与群の間に明らかな神経変性の差は認められなかった。 微量元素摂取のモニタリング指標の開発では、Zn、マグネシウム(Mg)、 Cuの尿中排泄量が摂取量のモニタリング指標として使用できる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)