2012 Fiscal Year Research-status Report
家庭における豆摂取を促進するための豆料理のあり方-調理講習会を通して-
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23500981
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Research Institution | Soai University |
Principal Investigator |
村井 陽子 相愛大学, 人間発達学部, 准教授 (30434864)
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Keywords | 豆摂取 / 豆料理 / 豆調理頻度 |
Research Abstract |
<実習豆献立を家庭で作る意欲とその関連要因> 豆摂取を促進するため、大阪府都市部の幼稚園、小学校の保護者を対象に、簡単な豆料理の調理実習と豆に関する講話を組み合わせた料理講習会を開催し、豆摂取背景要因と実習豆献立評価に関する調査を実施してきた。実習献立を「家でも作ろうと思う」意欲の高さに基づいて解析対象者(146名)を低群と高群に分け、豆摂取に関する要因および献立評価との関連を検討した。家で作る高群は、低群に比べて、豆についての関心が高く、食生活を重視する傾向を示した。実習豆献立を家庭で作る動機づけには、実習献立の評価および食生活重視度が影響していることが示唆された。 <豆素材製品使用献立の家庭調理の可能性> 本研究では、簡単でおいしい豆料理を普及させて、家庭での豆摂取を促進することを目指してきた。先行研究では、「調理が面倒」、「調理に時間がかかる」という理由で豆料理を作らないという意見が多く、また水煮や蒸し煮した豆の素材製品(水煮・ドライパック)の利用が望ましいと考える回答者が多数を占めた。そこで、前年度2月に食品スーパーでの買い物客を対象に、乾燥豆と豆素材製品を使用した6種の豆料理に対する嗜好性と調理意欲に関する質問紙調査を行った。その結果、豆素材製品使用献立の調理意欲は、年代、豆の嗜好、摂取頻度、調理頻度とは関係なく、乾燥豆使用献立の調理意欲より高いことが認められた。特に豆料理の普及が望まれる豆の調理頻度低群では、高群と比べて、乾燥豆使用献立の調理意欲は有意に低かったが、豆素材製品使用献立の調理意欲では有意な差はみられなかった。また豆の調理頻度低群においては、豆素材製品使用献立の調理意欲が乾燥豆使用献立の調理意欲より有意に高かったことから、豆素材製品使用献立が家庭での調理に結び付く可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成23年度末に、新たに作成した豆献立4種を加えた6種の豆料理に対する嗜好性と調理意欲に関して、食品スーパーでの買い物客を対象に質問紙調査を行った。その結果を解析しまとめたところ、調査協力者に高齢で豆好きという偏りがみられたものの、乾燥豆使用献立より豆素材製品使用献立が家庭での調理に結び付く可能性が示された。この調査を先行調査と位置付け、本来の目的である小学校保護者を対象とする取り組みを展開した。 小学校保護者を対象とした先行研究では、豆摂取に対して「豆料理を作る頻度」が最も影響したため、小学校保護者を対象に簡単な豆料理の調理実習と豆に関する講話を組み合わせた料理講習会を開催した。しかし、これまでの実績では、講習会参加者は全保護者の約15%と限られていた。そこで、平成24年度は、講習会に参加しない保護者の啓発にも配慮し、小学校全保護者を対象として、豆調理頻度の増加を目的とした印刷媒体を配布、その効果を質問紙調査の結果から検討することにした。 大阪市内4小学校の保護者724名を対象として、5月にB4サイズ1枚の「6種の豆料理レシピ」を配布、それぞれの豆料理の嗜好性と調理意欲に関する質問紙調査Iを実施し、豆摂取背景要因との関連を調べた。9月に質問紙調査Iの結果をまとめた「豆アンケートのまとめ」(B4サイズ1枚)を配布、11月には質問紙調査Iの結果を踏まえて作成した豆料理集「まめ豆クッキング」(A4サイズ12頁)を配布した。また、3種の印刷媒体の効果を確認するため、2月に質問紙調査IIを実施した。 豆の栄養に関する記事と豆の簡単調理をまとめた小冊子「まめ豆クッキング」を作成して配布することは、当初の計画では最終年度25年度に予定していたが、同一の保護者を対象として一連の取り組みの効果を調べるため、24年11月に配布し、3か月の期間を置いてその効果を確認することに変更した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は、平成24年度に大阪市内4小学校の全保護者を対象に実施した質問紙調査Iと質問紙調査IIの結果をまとめて研究会で発表するとともに、研究論文として学会誌に投稿する。また、研究の成果を協力校の保護者に還元するとともに、豆の栄養に関する記事と豆の簡単調理をまとめた小冊子「まめ豆クッキング」の配布の範囲を広げ、豆の栄養的な価値の啓発と今日的な利用方法の提案を行う。 <質問紙調査I:小学校保護者を対象とした6種の豆料理に対する嗜好性と調理意欲> 平成24年度5月に実施した質問紙調査の結果を解析してまとめ、現在日本食育学会誌に投稿中である。この調査では、「作りたい豆料理として選択した料理数」には食べたい豆料理として選択した料理数、豆の栄養的認識、豆の摂取頻度の3項目が影響しており、家庭での豆の調理を普及させるには、簡単で魅力的な豆料理の提案と豆の栄養的認識の啓発が有効であることが示唆された。 <質問紙調査II:小学校保護者を対象とした豆調理頻度増加を目的とした印刷媒体による働きかけの効果> 現在、平成24年度2月に実施した質問紙調査のデータを入力し、解析を進めている。まとめた結果は9月に実施される第60回日本栄養改善学会学術総会で発表するとともに、研究論文として学会誌に投稿する。 <研究成果の保護者への還元と普及活動> 調査協力小学校の保護者に対しては、講演会、PTA総会、学校保健委員会等で成果を公表し、豆の今日的な利用方法を提案して更なる豆の摂取促進を図る。協力校以外でも、機会ある毎に、「まめ豆クッキング」を配布し、研究成果に基づいた講演を実施して、豆摂取の普及を行う(6月に大阪市鶴見区学校保健協議会の講演を予定)。また、研究代表者、協力者の所属する大学、地域栄養士会を通じて、「まめ豆クッキング」を配布し、豆の栄養に関する知識と簡単な豆料理の普及を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度の直接経費の所要見込み額は44万円であり、その使用計画の概算を次に示す。 1)講演会持参用薄型軽量パソコン:設備備品費20万円、2)講演会持参用小型軽量プロジェクター:消耗品費6万円、3)学会会費:2.5万円、4)日本栄養改善学会学術総会参加関連(神戸市にて9月12日~14日開催):参加費、旅費、宿泊費等5万円、5)学会誌投稿関連:8万円、6)その他:消耗品費、謝金等2.5万円 を予定している。
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Research Products
(3 results)