2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23500983
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Research Institution | Kobe Women's University |
Principal Investigator |
堀田 久子 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (00165002)
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Keywords | 柑橘類搾汁残渣 / ポリフェノール / 中性脂肪 / コレステロール / PPARα / ビフィズス菌 |
Research Abstract |
本研究の試料である搾汁残渣は、毎年同じ状態のものが得られるとは限らないため、前年度の実験の再現性を検討した。今年度あらたに供与された温州ミカン、はっさく、ゆずの搾汁残渣から120℃30分の熱水抽出を行い、ろ液を凍結乾燥して動物実験の試料とした。動物実験は、前年度と同様4週令のSD系オスラットを用いた。飼料は、アメリカ栄養研究所発表のAIN93食にもとづく10%シュークロースからなるスタンダード群、25%シュークロースにより中性脂肪・コレステロールを上昇させようとするコントロール群、コントロール群に3%熱水抽出物を添加した柑橘群の3群とした。 4週間の飼育実験ののち、温州ミカン、はっさく、ゆずともに血清と肝臓の中性脂肪、コレステロールがコントロール群に比べ、有意に低下した。温州ミカンの血清中性脂肪の低下は、本年度はじめてみられた現象である。これについては、本年度の温州ミカン搾汁残渣熱水抽出物のポリフェノール含量が、昨年度よりも高いことによると思われる(昨年度 82㎎、本年度 108㎎) また、ポリフェノールは中性脂肪の分解に関わる核内受容体PPARαを活性化するとの報告があるため、検討をおこなった。今回はっさくの肝臓でPPARαの活性化がみられたが、温州ミカンではみられなかった。PPARαは、脂肪酸のβ酸化に関係する酵素の転写因子としてはたらくため、その活性化は、脂肪酸のβ酸化の活性化を意味する。はっさくで活性化がみられ温州ミカンで見られない理由については、不明であり再検討を要する。 搾汁残渣の熱水抽出物によるビフィズス菌増加活性は、Wistar系ラットの盲腸内容物を用い、試験管内での搾汁残渣含有培地による培養実験により、温州ミカン、はっさく、ゆずの搾汁残渣で確認することができた。
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