2013 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー型認知症予防のための新規食品成分検索とその細胞内作用機構の検証
Project/Area Number |
23500985
|
Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
土井 裕司 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (50106267)
|
Keywords | アルツハイマー型認知症 / アセチルコリンエステラーゼ阻害物質 / チューブリン / 微小管 / 抗酸化系酵素 / 抗酸化物質 / 紅タデ / 柑橘類 |
Research Abstract |
アルツハイマー型認知症の発症メカニズムとして、コリン作動性シナプスの消失ならびに微小管の崩壊による軸索輸送障害やヘリックス繊維対形成による神経原線維変化が考えられている。 本研究のタイトルである「アルツハイマー型認知症予防のための新規食品成分検索とその細胞内作用機構の検証」は、対応策そのものとメカニズムの検証という2つの内容を含んでいる。そこで、実施研究も2つの事柄を並行して行われた。1つは、コリン作動性シナプスの消失がアセチルコリンエステラーゼの阻害によって免れることができるであろうという考え、食品中に存在するアセチルコリンエステラーゼ阻害物質を検索することであり、他の一つは、脂質過酸化物を培養細胞の培地に添加して微小管の崩壊を確認し、その後の抗酸化系酵素群の動きを観察することであった。 第一の研究では、タデを材料として当該阻害物質を検索した。酢酸エチル抽出物についてシリカゲルカラムに供した結果、酢酸エチル溶出画分に酵素阻害活性を認めた。阻害活性画分をSilica 60-HPLC に供し、純度を検定した。得られたピークの一つに、ピーク面積と酵素阻害率との間に相関が認められたことから、そのピーク中にAChE阻害物質が含まれると考えられた。よって、本研究の一つの目的は達成されたと考えている。(2013年日本食品科学工学会発表) また、第2の検討課題であるアルツハイマー型認知症の微小管形成崩壊メカニズムについては、リン脂質過酸化物(PO)が微小管形成を阻害して、生細胞数を減少させること、また細胞膜を損傷させることを明らかにしているので、次いで、細胞内抗酸化系酵素群の活性変化、更にはその変化に及ぼす抗酸化物質の影響を検討することに進んでいった。(2013年日本栄養・食糧学会発表) 皮膚劣化に関して、柑橘類からのチロシナーゼ阻害剤検索の成果を日本食品科学工学会で発表予定である。
|
Research Products
(4 results)