2011 Fiscal Year Research-status Report
食嗜好性獲得における味覚感受性の経年的変化と嗜好学習の役割
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23500986
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
上地 加容子 畿央大学, 健康科学部, 助教 (50390208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 隆 畿央大学, 健康科学部, 教授 (60028793)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | Flavor / Learning / Preference / Aversion / Development / Infancy |
Research Abstract |
健全な食生活の基盤は、好き嫌いや偏食がなく、多様な食べ物に対して高い嗜好性を持ち、おいしく食べ、楽しく食事をすることにある。味覚感受性の測定に関する研究では、食嗜好性の獲得にかかわる要因の中で、味覚感受性と食べ物に対する嗜好学習を取り上げ、味覚感受性の個人差や経年的変化を測定し、同時に行う食嗜好、食行動、食習慣に関するアンケート調査結果と対応させ、解析しているところである。5基本味に対する閾値(検知閾、認知閾)を測定する「畿央大学式味覚テスト」を開発し、年齢横断的に味覚閾値を測定中であるが、今後さらに対象者を増やす予定である。味覚の嗜好性を高めることの意義に関する研究では、機能的近赤外線スペクトロスコピー(fNIRS)を用いて、嗜好性の高い食べ物を実際に食べたときの脳活動を計測し、その活動部位、活動パターンを解析し、第58回日本栄養改善学会で発表した。幼少期の嗜好学習獲得とその保持に関する研究は、幼児期に経験したおいしい食べ物は、成人になっても記憶に留められ嗜好性を維持するのか否か、また、おいしいとき脳はどのように変化するのかを明確にするためにラットを用いて実験中である。離乳直後のラットが味と匂いの連合学習を獲得することができ、獲得した学習が成熟後も保持されることが明らかとなり、その成果を第44回日本味と匂学会、第64回日本栄養・食糧学会で発表した。今年度も学会で発表の予定である。また、研究成果を雑誌に投稿したところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の途中経過を各学会で発表することができ、また、「幼少期の嗜好学習獲得とその保持に関する研究」については雑誌に投稿できた。
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Strategy for Future Research Activity |
味覚感受性の測定に関する研究は、「畿央大学式味覚テスト」を用いて、今後も年齢横断的に味覚閾値を測定していく予定で、薬品やサンプルカップ等の実験用具、アンケート結果入力のための人件費等が必要となる。また、新しい味覚テスト法として、運搬しやすく、保存性に優れ、簡便な、溶液を使わない味覚テスト改良版を開発することも目的としており、そのための実験用具が必要となる。機能的近赤外線スペクトロスコピー(fNIRS)を用いた味覚の嗜好性を高めることの意義に関する研究は、fNIRS用の実験用品、被験者への実験のお礼、学会参加経費等を支出予定である。幼少期の嗜好学習獲得とその保持に関する研究は、離乳直後のラットが味と匂いの連合学習を獲得することができ、獲得した学習が成熟後も保持されることが明らかとなったが、本実験は継続中であり、今後は種々の味を用いた嗜好学習効果を調べる予定で、動物実験に必要な消耗品及び学会参加経費等を支出予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費 70万円、旅費 20万円、謝金 25万円、その他 15万円
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Research Products
(6 results)