2013 Fiscal Year Annual Research Report
青年期の食行動異常について―スクリーニング尺度の検討―
Project/Area Number |
23500987
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Research Institution | Shikoku University |
Principal Investigator |
板東 絹恵 四国大学, 生活科学部, 教授 (70208726)
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Keywords | 摂食障害傾向 / スクリーニング / 尺度 / 青年期 / 食行動異常 |
Research Abstract |
今年度の研究目的は、これまでに集積したそれぞれ男女中学生、高校生、大学生、総計1310名(16.8±3.0歳)のデータ分析結果を基に、臨床群に至る以前に位置する摂食障害傾向者いわゆる食行動異常者をスクリーニングするための、摂食障害傾向スクリーニング尺度を作成すること、さらにその信頼性、妥当性を検討することであった。その結果、摂食障害の特徴的パーソナリティや摂食行動より抽出された5因子である、①食へのとらわれ、②ジェンダー、③自己肯定感、④完璧主義、⑤摂食行動の、質問項目29からなる尺度を作成した。そして男女高校生、大学生、総計741名(16.4±1.7歳)を対象に、摂食障害傾向スクリーニング尺度29項目、日本語版Eating Attitudes Test26(Mukai他1994)と日本語版Eating Disorder Inventoryの下位尺度である「過食」の7項目(Shimura他2003)合わせて33項目(EAT+EDI33と略す)、日本語版自尊感情尺度(東1990)10項目(自尊感情尺度と略す)を実施した。ただし調査対象者のうち大学生90名に対しては、4週間の間隔をあけて、再度実施し、その際データ照合のため学籍番号の記入をするように求めた。内定整合性の観点から、本尺度の信頼性を検討するためにクロンバックのα係数を算出した結果、α=0.883であった。さらに安定性の観点から4週間間隔をあけた再検査で信頼係数を算出した結果r=0.840(p<0.001)であった。次に構成概念妥当性を検討するため、EAT+EDI33、自尊感情尺度の、それぞれと相関関係をみた結果、EAT+EDI33はr=0.573(p<0.001)、自尊感情尺度は-0.494(p<0.001)であった。これらの結果より作成された摂食障害傾向スクリーニング尺度は信頼性と妥当性を有すると考えられた。
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Research Products
(6 results)