2013 Fiscal Year Annual Research Report
主食食材中のAhR活性成分の探索と大腸がん発症予防効果に関する基礎的研究
Project/Area Number |
23500989
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Research Institution | Matsuyama University |
Principal Investigator |
天倉 吉章 松山大学, 薬学部, 教授 (50321857)
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Keywords | アリル炭化水素受容体 / 主食 / 天然物 / 食生活 / 食育 |
Research Abstract |
本研究では,日々食する主食食材中の天然AhR活性成分について明らかにし,それらの大腸がん発症予防効果について考察するとともに,主食を軸とする食生活の健康維持における重要性,さらに食育のエビデンスへと展開するための研究基盤の確立を目指している.まずスクリーニングとして,5種の穀類および13種の野菜類についてエタノールエキスを調製し,レポータージーンアッセイを指標にAhR活性を評価した.その結果,数種のエキスに顕著な活性が認められ,そのうち,米,ブロッコリーについて活性成分の精査を実施した.ブロッコリーの活性画分について,各種カラムクロマトグラフィーを実施し,活性画分から14種の化合物を単離,同定した.得られた化合物についてAhR活性を評価したところ,neoascorbigenやsinapoyl配糖体に顕著なAhR活性が認められた.これらは天然AhRリガンド候補としてはじめての報告であり,特にsinapoylgentiobioseのような二糖類での極めて稀な例を明らかにすることができた.また米由来の活性画分について,活性成分の精査を行ったところ,adenine,adenosine,6-O-sinapoylsucrose等とともに,新規化合物と推定される成分を単離することが出来た.さらに糠からもフェニルプロパノイド配糖体を得,米由来の新たな天然AhRリガンド候補として期待される.一方で,スクリーニングの結果から日々食事として摂取している穀類や野菜は,強弱はあるが,その大半がAhR活性を示した.それゆえ,これら活性の健康維持への関与が考察される.
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