2011 Fiscal Year Research-status Report
ダイエット関連植物素材の安全性における主要栄養素の影響評価
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23500999
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Research Institution | National Institute of Health and Nutrition |
Principal Investigator |
梅垣 敬三 独立行政法人国立健康・栄養研究所, 情報センター, 情報センター長 (60191920)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ダイエット食品 / コレウスフォルスコリ / 安全性評価 / 主要栄養素 / 肝薬物代謝酵素 |
Research Abstract |
ダイエット素材のコレウス・フォルスコリ(CFK)エキスは、ヒトがサプリメントから摂取している量で、マウス肝薬物代謝酵素系(特にシトクロームP450(CYP)の中のCYP2B、CYP2C、CYP3A)を強く誘導した。CFKエキスによる肝CYP誘導は、混餌投与と胃内投与の条件でも同様に認められ、混餌投与では市販非精製飼料よりもAIN93G組成の精製飼料で惹起されやすかった。CYPの誘導に対する主要栄養素の影響を検討したところ、AIN93G組成飼料中の炭水化物源として利用したスターチ含量の高い条件でCYP誘導が起こりやすく、飼料中の脂質やタンパク質含量はそれほど影響しなかった。CFKエキスで認められたin vivoにおける肝CYPの誘導は、肝臓重量の増加と極めて強い相関性を示した。また、CFKエキスはin vitroにおいてCYP活性を濃度依存的に阻害した。これらの現象は、今後実施するCYP誘導物質の効率的な検索に有益な情報となった。マウスに対するCFKエキス投与は脂肪肝も惹起したが、その影響は肝CYP誘導を惹起する摂取量の約10倍で検出された。CFKエキスによるCYPの誘導は、医薬品との併用による相互作用の可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CFKエキス投与が肝CYPを誘導し、医薬品と相互作用する可能性、ならびにCFKエキスによるCYP誘導と飼料条件の関連を明らかにできた。またCFKはCYP誘導だけでなく脂肪肝を惹起すること、その投与量との関係を明確にすることができ、概ね当初の目的が達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
CFKエキスによる肝CYPの誘導は、併用医薬品の薬効を減弱させる可能性があることから、医薬品としてワルファリンを用い、そのCFKエキスとの併用による相互作用についてさらに詳細に検討する。また、前年度の結果を踏まえ、in vitro系におけるCYP活性の阻害ならびにin vivo系における肝重量の増加とCYP活性の増加という2つの指標の組み合わせにより、CFKエキス中に存在するCYP誘導物質の検索を予定通り実施する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
薬物代謝酵素のin vitroにおけるスクリーニングキットが効率的な研究遂行に有益なことが判明した。その測定キットの利用に必要な機器が24年度に入手できることになった。そこでキットの購入等を予定していた一部の予算を24年度に持ち越すことにした。その他については当初の予定通りとする。機器等の購入の予定はない。
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Research Products
(1 results)