2011 Fiscal Year Research-status Report
基本法則を実感して理解するための定量的化学実験教材とカリキュラムの開発
Project/Area Number |
23501002
|
Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
猿渡 英之 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (30221287)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 定量化学分析 |
Research Abstract |
本年度は、研究代表者が以前から開発してきた定量化学分析教材の改良を主に行った。(1)簡易吸光光度計を用いた実験プログラムの改良 研究代表者はこれまでに開発、改良してきた簡易型の吸光光度計を活用して、より簡単な実験プログラムの開発を行った。(2)目視による比色分析実験プログラムの作成 簡易吸光光度計は、中学生や高校生、あるいは大学生にとって有効な実験器具、教材であるが、小学生となるとやや理解が難しいと考えられる。これに対し、目視による比色分析であれば、数値化より単純かつ感覚的に微量な成分の定量分析行うことができると考えられる。しかし、実験操作の正確さが求められる点は、他のより高度な分析方法と変わりはない。本研究においては、試料処理から発色操作まで簡単かつ正確に行える実験方法、手順の開発を試み、小学生対象の実験教室で実施した。その結果、小学生も実験操作の意味を理解しつつ、試料の保証値あるいは市販分析機器による測定値とよく一致する分析値を得ることができた。(3)ごく簡易な小型ビュレットを用いた容量分析 金属イオンを定量するために、ごく簡易なビュレットと小型のイオン交換カラムを用いたイオン交換-中和滴定法を開発してきたが、これに加えてキレート滴定による金属イオンの定量も同様の簡易ビュレットを用いる手順を開発した。この方法を大学初年度の授業に取り入れたところ、極めて短時間でよい分析値を得ることができ、有効な方法であることが確認された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年3月11日の地震により実験室、実験器具等が被害を受け、また建物の補修期間中にも実験室が使えなくなったことにより、当初の予定通りには研究を遂行することができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験室の補修工事が2011年度末で完了したので、破損した器具類を補充して研究を遂行することが可能となった。また、被災した小中高等学校においても復旧が進んできているため、これらの学校の協力を得て、新たな教材の開発を行う方針である。また、被災した学校の実態にも合った、復興に寄与する教材の開発を目指す。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
震災で遂行できなかった研究を行うため、必要な物品の購入、旅費および謝金の支出に研究費を使用する。
|