2012 Fiscal Year Research-status Report
ファストプランツの小・中学校理科授業における教材化とその有効性の検証
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23501009
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
矢倉 公隆 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50166485)
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Keywords | ファストプランツ / 植物教材 / 植物の観察・実験 |
Research Abstract |
前年度の実績を踏まえ今年度の研究推進計画は、1)確実なファストプランツ(以下FP)栽培法の確立する、2)小学校第5学年における植物の発芽・成長・結実に関するFPを利用した授業実践と省察を踏まえ、必要に応じてさらに授業実践を行う、3)小学校第6学年で扱う、植物の養分と水分の通り道に関するFP利用の可能性について検討する、および4)小学校からの連続性を考慮しつつ、中学校における授業へのFP導入の可能性について検討する、という4点とした。 今年度は公立小学校の協力を得て、前年度の不十分な点を考慮しつつ再度授業実践を行った。その結果、1)については、一部課題も残されたが、少なくとも小学校第5学年の児童が播種から種子採取までを確実に行えるFP栽培法の確立がなされた。また2)に関しては、前年度の授業実践において栽培の際の温度管理方法等に検討の余地が残されていたが、再検討を加えることによって今年度の実践を通して問題の解決がなされた。さらに、授業者からは、FPは室内で容易に栽培でき、天候に左右されず、さらに短期間での結果の確認が可能な点で授業が行いやすい、さらに授業の流れが途切れないことで、従来から用いられている植物教材と比較し、児童が課題意識を継続して実験・観察に取り組めるので、より効果的・効率的な学習が可能となったとの評価を得た。従来から用いられている植物教材との併用によって、児童の授業に対する理解度が向上するとの評価を得た。この研究成果は、日本生物教育学会第94回全国大会(H25年1月12日~13日)において発表した。 一方、3)および4)に関しては、前年度からあまり進展しておらず次年度の課題として残された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部達成出来なかったが、本研究の主要なテーマである、FPの確実な栽培法の確立と学校現場でのFP利用の可能性について明らかにされたことで、概ね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度本格的に実施出来なかった事項と残された一部の課題の解決をはかる。具体的には、小学校第6学年および中学校におけるFP利用の可能性の検討を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に係る研究費はFP種子や消耗品購入のための物品費と学会参加旅費である。
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