2013 Fiscal Year Annual Research Report
ファストプランツの小・中学校理科授業における教材化とその有効性の検証
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23501009
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
矢倉 公隆 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50166485)
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Keywords | ファストプランツ / 授粉 / 結実 / 授業実践 |
Research Abstract |
本研究の目的は、観察・実験の材料として有利な特徴を持った、アブラナ科の一変種である、ファストプランツ(以下、FPと記す)を、主に小学校の授業に、どのように導入することによって、生徒の興味や探求心を高めることができるかを、本学の附属小学校及び公立小学校教諭との協働で検討し、授業実践を通して教材としての有効性を検証することである。 その目的を達成するため、研究期間の各年度で以下の事項を実施した。 平成23年度は、2)学校現場における確実なFP栽培法の確立、2)小学校理科における学年ごと(3年~6年)の内容検討とFPの導入内容の検討、2)に関しては、種子発芽と成長の条件の実験・観察を、附属小学校の第5学年において授業実践を行った結果、概ねFPを利用することの有用性が確認できた。 平成24年度は、前年度の実績を踏まえ、1)確実なFP栽培法の確立、2)小学校第5学年における植物の発芽・生長・結実に関する、FPを利用した授業実践とその省察を通して、FPの有用性についての検討を行った。2)に関しては、公立小学校の協力を得て実施した。その結果、授業者からは、生徒自ら、播種から結実まで比較的容易に栽培ができることが明らかになり、FPの教材としての利点や教育的効果についての高い評価を得た。 最終年度である平成25年度は、生徒自らが授粉操作ををする上で、確実に結実させるためにどの時期の花を用いれば良いかを、花粉管の発芽率という視点から調査した。その結果、開花後2日目の花粉が最も発芽率が高く、その花粉を、同じく開花後2日目のめしべに授粉すると、結実の確立が最も高くなることが、間接的ではあるが示唆された。 FPの栽培において、授粉操作をしても結実が観察されないということが往々にしてあり、生徒の理解の障害になる可能性があると思われるが、この知見は、それを解決するために大いに役立つものと考えられる。
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