2011 Fiscal Year Research-status Report
極めて簡便な神経染色法を応用した高校生物実験パッケージの開発と実践的検証
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23501015
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
相見 良成 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (20231756)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 自然科学教育 / 高校生物実験 |
Research Abstract |
本研究の目的である高校理科室での神経染色実験の確立に向けて『NADPHジアホラーゼ染色法の改変』を以下の項目につき行った。【動物種の選定】犠牲死に対する生徒の心理的負担が少ないと考えられる小型魚類、及び食用に供されている食肉を実験標本とすることを試みた。市中の小売店で入手した冷蔵のイワシ、アユおよびウシの腸管を用いて標本を作製した。【標本の固定方法】手始めに原法のホルマリン固定を試み良好な標本を得た。その他のアルコールを用いた固定方法等については継続して検討中である。【標本薄切法の改変】原法では標本は主にミクロトームを用いた薄切切片を用いている。しかしながら高校理科室ではミクロトームの利用は困難であるので、理科室で作成可能な薄片標本として、消化管筋層の剥離標本の簡易作成法の確立を試みた。固定後の消化管を先細ピンセットで割き標本としたところ、いずれの動物種においても顕微鏡下で良好に観察することが可能な標本を得た。これら固定・薄切の一連の手技は特殊な器具を要さず簡便なものとすることができた。【染色法の改変】原法では発色試薬にNBT(nitro blue tetrazolium)を用い、リン酸バッファー中で約1 時間の反応を行っている。上記の動物種および標本作製法のもと作製した切片を用い検討したところ、原法での染色に問題が無いことを確認した。これらの実験は滋賀医大解剖学講座の実験室で医学部学生の協力のもとで行い、高校性レベルの初学者であっても充分実施可能であることを確認した。初年度の検討で染色実験そのものは高校理科室で実施可能であることが証明できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NADPHジアホラーゼ法を高校の理科室での実験に応用するに際しての最大の問題であった「動物種」「薄切標本作製法」について解決を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
実際の高校の理科室での実験を試み、問題点の洗い出しや教育効果について検討を行う。さらに標本、試薬、参考資料をキット化し、実験パッケージとしてまとめる。パッケージの一環として動画資料の作成を初年度に予定していたが未着手となり「次年度使用額」欄の予算が次年度使用となった。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実際の高校理科室での実験実施に必要な試薬等の購入、実施に関わる旅費や助手への謝金、動画資料を含む実験パッケージの作製に対して経費を用いる。
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