2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23501018
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
入江 隆 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (70253325)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 粘弾性 / 力学モデル / 力覚 / 有限要素法 / 学習教材 / マルチメディア |
Research Abstract |
本研究では,3次元力覚呈示装置を利用することにより,材料力学の基礎(力学パラメータと形状がどのような意味を持っているのか)を視覚的,触覚的に理解できる工学初心者向けマルチメディア学習教材の開発を行う.本年度は次の2点について研究を推進した. 1.粘弾性材料の力学特性を表現するフォークトモデル,マクスウェルモデルなど,各力学モデルモデルの特性の違いを学習する教材の開発 ディスプレイ内に仮想粘弾性力学モデルを呈示し,3次元力覚呈示装置を用いて触る(押し込む)ことにより粘弾性特性を体感できるようにした.体感できる粘弾性モデルは7種類であり,構成要素となるバネとダッシュポットのパラメータも変更可能である.これまで粘弾性力学モデルを学習する研究者や学生は数式とモデルの変位応力特性グラフなどから,その力学的感覚を想像するのみであった.本学習教材による体験は,粘弾性力学モデルの理解を短時間に深める効果があると期待される. 2.マルチメディア学習教材に組み込む有限要素法(FEM)プログラムの検討 はりに外力を加えたときに発生する歪みと内部応力を学習する教材,断面形状によって歪みと内部応力がどのように異なるか学習する教材の開発において,最も重要な要素となるのが有限要素法(FEM)プログラムである.本年度は,有限要素法プログラムを書籍から入手し,3次元力覚呈示装置を利用した学習教材で利用できるように修正を行い,分割要素数により計算時間がどのように変化するか検討した.自然な力覚呈示を行うためには1000Hz以上の力覚制御周波数が必要とされる.一般に有限要素法は計算量が大きくなるため,その導入において最も問題であったものが計算時間であった.検討の結果,はりの曲げを2次元で扱う範囲においては十分な計算速度を得られることが明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題において大きな障害となる可能性のあった有限要素法(FEM)プログラムの計算速度の問題に目処が付いたため.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,有限要素法(FEM)による応力・歪み解析のプログラムを取り込み,単純形状のはりについて,片持ちはり及び両持ちはりに外力を加えたときの応力と歪みを視覚的,力覚的に体験できる教材を開発する.また,構造力学の基礎を学習できる教材開発に着手する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発された学習教材の評価実験を実施するために複数の力覚デバイスを購入する.現在,複数のデバイスが市販されているが機種により価格が大きく異なるため,評価実験の実施方法を含めて検討する.
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Research Products
(3 results)