2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23501018
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
入江 隆 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70253325)
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Keywords | 力覚 / 学習教材 / 材料力学 / はり理論 / 内部応力 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本研究では,3次元力覚呈示装置を利用することにより,材料力学の基礎(力学パラメータと形状がどのような意味を持っているのか,内部応力がどのように発生しているのか)を視覚的,触覚的に理解できる工学初心者向けマルチメディア学習教材の開発を行う。本年度は次の2点について研究を推進した。 1.「はりの曲げ」特性を学習する教材の開発とその評価 3次元力覚呈示装置を用いて仮想空間に創造された「はり」に直接触ることができ,力を加えると「はり理論」に基づく曲げ変形が生ずるとともに反力をリアルタイムで体感できるマルチメディア学習教材を開発した。矩形断面の片持ちはりと単純はりを創造し,そのサイズとヤング率を変更可能とした。技術科教員を目指す大学生と大学院生を対象に既存のPC教材と本教材の評価実験を実施した結果,本教材の有意性を確認することができた。(現在,日本産業技術教育学会論文誌に投稿中) 2.はりを曲げるときの内部応力を学習する教材の開発 3次元力覚呈示装置を利用することにより,学習者が仮想材料に触れ,学習者自身が力を加え,その時の応力分布を視覚的に確認できるインタラクティブ学習教材の開発を目的としている。材料内部の垂直応力と剪断応力を算出するためには有限要素法が適当であるが,力覚呈示装置を利用した教材においてはリアルタイムで処理する必要があるため,一般的なPCによりどの程度の計算速度が得られ,学習教材への組み込みが可能であるか確認する必要がある。そこで,片持ちはりの一点に強制変位を与えた場合の応力分布,変形量,反力を算出するのに必要な時間について検討を行った。その結果,2次元の有限要素法であれば,十分な計算速度を維持できることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
材料力学を学習するマルチメディア学習教材(片持ち梁と単純梁の特性をリアルタイムに学習することができる教材)を開発し,評価実験からその有意性を確認することができた。また,内部応力算出のために必要な有限要素法の適用の可能性について検討した結果,十分に可能であることが明らかとなり,現在,プログラミング開発を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,現在開発中の内部応力を学習する教材の開発を進め,この完成を目指す。また,「はりの曲げ」特性を学習する教材について学会発表を行った際に,中空材料の特性についても扱うことができないかとのご意見をいただいたことから,要望に対応すべくバージョンアップを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
開発した学習教材の評価実験を実施するための比較的安価な3次元力覚呈示装置を数台購入する予定であった。しかし,コンピュータのOSの問題(新しいOSへの未対応)から購入に至らなかった。 windowsXPのサポート終了問題でも明らかなように,購入した装置を長く利用するためには最新のOSへの対応が不可欠である。本年度中に装置の購入を行う予定であるが,機種選定にあたっては予算と最新OSへの対応を考慮して進めたい。
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Research Products
(1 results)