2014 Fiscal Year Annual Research Report
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23501025
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Research Institution | Kawamura Gakuen Woman's University |
Principal Investigator |
原田 耕平 川村学園女子大学, 教育学部, 教授 (10238181)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 推論的活動 / 算数指導法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、小学校1年生を対象とした3年間の縦断的研究法によって、子どもの推論的活動を支援する算数指導法を開発することである。本研究では、各学年を通じて子どもの推論的活動についての発達調査を実施するとともに、子どもの推論的活動を支援する算数指導法の理論的研究とその実証のための教授実験を行った。 本研究は平成23年から開始され、平成25年度で推論的活動についての発達調査および算数指導法の開発のための教授実験を終了した。平成26年度では、とくに縦断的調査結果の集計と分析、3年間の継続的な教授実験結果の集計と分析を行った。 研究期間を通じての研究結果から、次の結論が得られた。子どもの推論的活動の発達調査の結果から、①数量に関する推論では、低学年で上位水準に到達し、それを保持するタイプが多く見られた。②図形に関する推論では、低学年から順次水準を上昇させるタイプが多く見られた一方で、図形の視覚的影響を受け、低い水準に留まるタイプも見られた。子どもの推論的活動を支援する教授法の開発では、ジュネーブ学派の「学習実験」、ブロッソーの「教授学的場の理論」等を参照して、教授法の枠組みを①推論を確認する段階、②推論の発展を生み出す段階、③推論規則を明確にする段階によって構成した。子どもの認知発達水準を考慮した教授実験によって、推論的活動が活発化し、推論の連鎖、推論の無限性の意識化等が生まれ、教授法の有用性が確認された。
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