2011 Fiscal Year Research-status Report
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23501031
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Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
伊藤 敏 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 教授 (80130946)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 祥史 岩手大学, 教育学部, 教授 (00211061)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 自然科学教育 / 拍動 / 五感 |
Research Abstract |
本研究では、教材システムが学習者の体の血液の流れ情報を取得処理して、それを提示することで学習者へ返す。それに基づいて学習者が応答をする形を取る。そのため、研究計画は1.USBカメラ利用の測定システムの開発、2.教材システム構築、3.教材システムの実践による検証 の3項目に分けて実施する。 23年度はUSBカメラ利用の測定システムの開発を行った。拍動は指先の毛細血管内の血液量増減として伝わる。生体に近赤外線が照射されると散乱され、血液内のヘモグロビンにより散乱光は吸収される。散乱光強度は拍動を反映する情報である。環境光には近赤外線が含まれ、USBカメラも近赤外光を検出することが可能である。そこでUSBカメラと環境光の配置など条件を様々に変えて安定した設定条件を明確にするために、USBカメラの画素データ取り込み速度を表示するプログラムを作成した。これを用いて、測定時に行うレンズ部分を指で覆う条件で安定したデータ取り込み速度を維持できるか確認が可能になった。環境光を用いる場合、測定が不安定になる(環境光強度が安定しない)ため、電気スタンドを利用することが教材としては適することを確かめた。これらをまとめて測定条件として、用いるUSBカメラの選定方法、測定環境の提案を行った。 次の機能を持つプログラムを開発した。1.拍動である脈波をリアルタイムでグラフ表示 2.脈波(光強度の時間変化)を数値データとしてcsv形式で保存。 USBカメラを用いない従来からの拍動測定法で拍動の揺らぎから自律神経機能評価が可能であることを確かめた。これを通じて、USBカメラを用いた測定でもサンプリング速度を速くすることで自律神経機能評価が可能であることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
USBカメラによる脈波検出と表示については、プログラムの基本が完成した。データ表示および取り込み解析のアルゴリズムはほぼ変更の必要がない状態まで完成させた。 さらにサンプリング速度を向上させることが可能な場合、自律神経機能評価に利用できる可能性を示したことで、新しい教材展開の可能性を示した。 ユーザインタフェイスについては、数名の実験協力者による検討を経て完成させる必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
23年度に開発した脈波測定表示プログラムを使って、大学生および高校生を対象に実践を行い、ユーザインタフェイスの検討および教材システムの検討を行う。同時にドキュメントの整備を行う。また、開発したプログラムはC#を用いたが、様々な環境で利用を可能にするために、他の言語で同等の機能を持つプログラムを開発する。汎用USBカメラのデータ取り込み速度は標準で30fps、すなわちサンプリング間隔が0.033秒であるが、ドライバ開発などの手法を用いることで特定のUSBカメラにおいては60fps(0.017秒)でのデータ取得が可能になる。その場合、脈波の揺らぎ情報より自律神経評価をすることも可能になる。これにより、拍動は一定ではなく、揺らいでいることを示すだけでなく、定量的評価へとつながること示す教材作りを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
教育実践を行うためにノート型コンピュータおよびプレゼンテーション環境構築のために本補助金を充てる。拍動表示教材から、さらに自律神経機能評価が可能な教材への発展をさせるための開発環境の整備に本補助金を充てる。これらの得られた成果の発表および公表のために本補助金を充てる。
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