2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23501037
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Research Institution | Seinan Gakuin University |
Principal Investigator |
松村 敬治 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (40157350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩野 正明 西南学院大学, 人間科学部, 教授 (80235499)
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Keywords | しゃぼん玉の膜厚 / セッケン膜の厚さ / 薄膜の干渉 / 紫外可視分光 / 干渉スペクトル / 高校物理教材 |
Research Abstract |
本研究の目的は、シャボン玉の測定法を確立し、シャボン玉の魅力を科学的に解明する教材を開発して提供することで理科教育の振興を図ることである。平成25年度は3年間の研究の総まとめとして、次の3つのことを実施した。 1つ目は、シャボン玉の膜厚の測定法を確立した。シャボン玉のさまざまな物性の中で、膜厚の測定にこだわった理由は、シャボン玉の美しさも、特殊な物性も、膜の厚さに由来しており、絶え間なく変動するシャボン玉の膜厚が正確に測定できれば、シャボン玉の魅力の解明につながるからである。今年度は、シャボン玉の透過光と反射光の干渉スペクトルを同時に測定する装置を開発した。この装置を用いて、干渉スペクトルのフリンジの位相が透過光と反射光では逆転することを証明することができた。この実験は、固定端反射と自由端反射の違いの解説にもつながるので、教育的な価値がある。 2つ目は、シャボン玉の測定実験を学校や地域社会の教材として提供するために、操作性に優れた測定・解析システムを開発した。具体的には、シャボン玉の測定データからグラフィカルに膜厚を決定する解析ソフトを製作した。エクセルVBAを言語に用いたので、軽量ソフトにもかかわらず、詳細な画面表示と印刷が可能になった。本研究により、約1μmの厚さで変動するシャボン玉の膜厚が簡単に高精度で決定できるようになった。 3つ目は、作成した教材を地域社会に向けた自然科学の啓蒙活動の中で公開し、理科教育の振興を図った。具体的には、夏休みに開催された自然科学のイベントで、「シャボン玉ができてから割れるまで」という題目で、小学生とその保護者を対象にしゃぼん玉の干渉実験を公開した。これと並行して、今回の成果を高校物理の教材として提供できるように、実験の背景となる理論に関する論文を発表した。
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