2011 Fiscal Year Research-status Report
高専におけるティーチング・ポートフォリオの普及とメンタリング技能に関する研究
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23501044
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Research Institution | Osaka Prefecture University College of Technology |
Principal Investigator |
北野 健一 大阪府立大学工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20234263)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | ティーチング・ポートフォリオ / ファカルティ・ディベロップメント / 高等専門学校 / ワークショップ / メンター / メンティー / メンタリング / キャリア教育 |
Research Abstract |
平成23年度は本校を会場としてTP作成WSを3回(参加者:学内12名、学外12名)、TP更新WSを1回(参加者:学内4名)、AP作成WSを1回(参加者:学内2名、学外3名)開催した。これによって、大阪府立大学工業高等専門学校では常勤教員78名中42名がTPを作成し、「過半数の教員がTPを執筆した高等教育機関」となった。ただ、特に半数を超えたことによる大きな変化は見られていない(国立阿南高専も平成23年度にTP執筆者が全教員の半数を超えた)。全国高専教育フォーラム、日本高専学会、日本工学教育協会工学教育研究講演会等において、高専におけるTPのあり方について講演を行った。TPを正しく導入するためには構成員の正しい理解が必要であることがわかってきているため、TPについての正しい情報をFD講演会等の形で周知した。平成23年度は7高専で講演を行い、そのうち2高専でTPの組織的な導入にこぎつけることができた。2012年3月末現在、日本国内におけるTPの作成者は約300名、TPを導入している高等教育機関はわずか19であり、まだ市民権を得ているとは言い難い。しかし、高専だけに絞ると話は変わってくる。2012年3月末現在、全国57高専のうち、TP作成者が1名以上在籍している高専は16高専(28%)、TPを組織的に導入している高専は8高専(14%)となった。全国の大学に占めるTP導入大学の割合にくらべれば、かなりの高率といえる。ワークショップ期間中にメニューとして組み込まれている「よりよいメンターになるために」の結果から、メンターとして必要な資質について抽出し、それが社会人基礎力や教員に求められる資質と共通点が多いことを明らかにした。この成果は所定の査読を経て、日本高専学会誌17巻3号、第6回論文特集号(平成24年7月発行)に論文として掲載される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画で当初平成23年度に予定していた「個人メンタリング技能向上装置の整備」については、整備が遅れている。しかし平成24年度以降に実施する予定であった「メンターに求められる資質」について、査読付論文として成果をまとめることができたため、「(2)おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年3月23日、国立高専機構は「モデルコアカリキュラム(試案)」を公表した。これは、教育機関がその設置目的に応じて教育研究指導を遂行していくために必要な教育内容の体系(カリキュラム)の中核(コア)部分をモデル(手本・模範)として示していこうとするものである。この中で、「第8章 モデルコアカリキュラムの質保証機能を担保するための取組み」の一つとして、「ティーチング・ポートフォリオ」が取り上げられており、高専では、今後さらに注目を集めると思われる。このような情勢において、そのニーズに応えるため、平成24年度もTP作成WSを3回開催する予定である。TP作成WSは3回のうち1回を学外で開催し、ワークショップを学内と学外で開催することの差異と問題点の抽出を行い、理想的なワークショップのあり方についての研究を行うことを計画している。それと並行して、引き続き、高専への普及活動に務める。TPを正しく導入するためには構成員の正しい理解が必要であることがわかってきている。そこで、TPについての正しい情報をFD講演会等の形で周知する。学協会にも積極的に参加し、TPについて情報を発信するとともに、成果発表に務める。アカデミック・ポートフォリオ(AP)とは、教育,研究,サービス活動(社会貢献・管理運営等)の業績についての自己省察による記述部分およびその記述を裏付ける根拠資料の集合体である。教員の最も重要な成果に関する情報をまとめた記録であり、単に「リスト」を作成するのではなく、3つの活動を「統合」し、相互の影響について自己省察し、最終的に三つの活動の「核」「原点」となっているものを見出すものである。これをTPの拡張版として位置付け、TPを作成した人に対する次のステップとして提供していく。具体的には、平成24年度中にAP作成WSを1~2回開催する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品(総計 140千円)・・・ワークショップの開催にあたり、必要となる文房具、プリンター、トナー、インクカートリッジに90千円、またTP関連書籍の購入に50千円を予定している。国内旅費 (総計 680千円)・・・客観性を保つ観点から外部メンターは重要である。外部メンターの招聘旅費として60千円×3回を予定している。また、本校以外の教育機関から本校教員にメンター依頼があった場合の出張旅費として、60千円×2回×3名を予定している。その他、学協会における成果発表の旅費として140千円を予定している。謝金等 (総計 300千円)・・・客観性を保つ観点から外部メンターは重要である。外部メンターを招聘した際の謝礼として、100千円×3回を予定している。その他 (総計 980千円)・・・研究成果を積極的に学会誌等に投稿する際の費用として80千円を予定している。ワークショップを学外の研修施設を用いて実施する予定であるが、その際の賃料として900千円を予定している。
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Research Products
(15 results)