2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23501052
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
東 徹 弘前大学, 教育学部, 教授 (30132939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長南 幸安 弘前大学, 教育学部, 教授 (30250674)
佐藤 崇之 弘前大学, 教育学部, 准教授 (40403597)
藤岡 達也 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (10311466)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 科学者伝記 |
Research Abstract |
本研究における遂行課題は、(a) 科学者の伝記集として国際的に最も定評のあるDictionary of scientific biography(以下、DSBと略記)の記載事項を基にした資料収集 (b)伝記の作成と関連する観察・実験の開発 (c)授業における検証を通した活用方策の確立の3点である。このうち、本年度の中心課題は、国内外における科学者の伝記に関する調査と必要な資料の収集と、一部の科学者についての伝記作成とした。 まず対象となる科学者のリストアップに関しては、DSBの分析に先だって、教科書の分析を行った。高等学校の理科と社会の教科書に掲載されている科学者・技術者のリストアップを行った結果、次のことが明らかとなった。(1)教科書会社によって多少の相違はあるが、共通する人物の方が多いことが判明した。(2)「物理」では、単位に数多くの人名が用いられており、囲み記事により解説されている科学者と重複している例が少なからずあった。 中学校や小学校では、教科書会社により取り上げられる科学者、技術者の範囲は、編集方針により異なるが、なかには表紙に科学者の像が掲載されている会社のものもあった。このうちのいずれの人物をとりあげるかは、今後の検討課題である。また、教科書には取り上げられていないが、本研究において取り上げる必要のある人物についても、いくつかの候補をあげることができた。さらに、教科書で扱われている人物は、全てDSBにも掲載されていることを確認した。そして、これらの人物に関するDSBの該当箇所において、その詳細な参考文献の整理に着手し、現在、継続中である。 再現実験や復元装置に関して、本年度に着手したのは、フーコによる光速測定の実験であり、空気中に関してはデータをうることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
人物の生涯にかかわる資料調査に関しては、当初の予定よりは遅れているものの、概ね、達成したと評価できるのに対し、本研究のもう一方の柱である「再現実験や復元装置に関する研究の調査とそれに基づいた実験の開発」に関しては、大幅に遅れている。 その理由の一つは、「再現実験」と称されている先行研究のなかのうち、科学者自身が行ったと推定される実験・観察と少し距離があるのではないかと思われるようなものもあり、その確認に手間取ったことにある。 「再現実験」に関しては、光速測定実験に手間取り、他の予定していた実験にとりかかれなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
教科書のチェックとDSBの参考文献の整理に基づき、今年度以降は対象とする科学技術者を決定する。そして、それらの人物に関する内外の文献のリストアップと調査をすすめていく。また、博物館での実験装置の確認作業も行っていき、伝記作成に役立てていく。また、再現実験・観察に関しても、どのようなものが必要か対象を絞り込む作業を行う。そして、子供たちにも観察・実施が可能な形態を探っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に関しても、博物館での実験装置の確認作業が必要なので、旅費として使用する。。また、次年度は最終年度であるので、とくに子供たちに適したかたちでの実験や観察の工夫のため、物品費に関する補助金の申請も行う。さらに、まとめのための印刷費に関する補助金の申請も行う。繰り越した平成23年度の残額は、各地の博物館等での調査が遅れていたので、平成24年度および25年度においても旅費として使用する予定である。また、その調査に必要な物品費としても、繰り越した平成23年度の残額を使用する予定である。
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