2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23501054
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
齊藤 千映美 宮城教育大学, 環境教育実践研究センター, 教授 (20312689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 孝男 東北文教大学, 人間科学部, 教授 (20004608)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 飼育動物 / 科学教育 |
Research Abstract |
平成23年度は、課題の抽出・学生参加型の飼育の実施と飼育体制の確立・成果の検討・プログラム開発準備を行なった。 まず、飼育動物としてヤギを飼育している小学校が多く見られる新潟県において、小学校における飼育の事例を視察、聞取り調査を実施した。また仙台市内の各学校について調査を行う事により、学校における動物飼育の目的や手法、実態、飼育活動と教育の関わりを明らかにした。沖縄で実施された「山羊サミット」に参加し、他地域での山羊活用の事例についての情報を収集した。また、文献調査を実施し、学校における飼育動物管理全般の課題を明らかにした。 次に、大学における学部講義科目「生活」「生命環境科学」を受講する学生の参加を得て、ヤギの飼育管理を実施した。飼育管理に携わる学生に対する調査を行い、課題を把握するとともに,飼育に従事した学生の知識、技能、価値観の変化を追跡調査した。 直接的飼育活動だけではなく、ヤギのふんを用いて堆肥作成を実施し、堆肥を活用して野菜を栽培し、それらの施設を一体化することにより、飼育施設全体を循環型社会学習プログラムの教材として展示する研究を実施してきた。 ヤギを活用するふれあい体験学習を地域で企画実施し、活動内で使用するための教材プログラムを開発した。ふれあい体験を企画実施することによって得られる成果と課題を検討した。成果を分析し、ヤギ飼育管理作業を通じて行なう循環型学習プログラム、ふれあい体験を通じて行なう学習のプログラムの提案準備を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新潟ヤギネットワークとの情報交換を継続的に実施し、学校における動物飼育を支援する目的で宮城ヤギネットワークを立ち上げた。震災後、飼育ヤギをもちいて地域におけるふれあい実践を企画実施することにより、動物を用いてコミュニケーションを図る学習の意義が明らかになり、その手法について探求することが可能になった。
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Strategy for Future Research Activity |
学校の飼育動物は科学教育に十分活用されていないだけでなく、教員自身に適切な飼育経験がなく、また感染症予防や動物福祉に関する十分な理解が不足している。 本研究では、学校における動物飼育の成果と問題点を明らかにし、教員養成大学構内で学生参加型のヤギ飼育活動を実施し、学生の観察力、生態系とのつながりを理解する力、生命尊重の態度の変容を検討する。 結果をもとに、教師が子どもとともに主体的に取り組むことのできる飼育活動のあり方を提案し、それを活用して、子供の適切な生命理解を推進するために、科学教育のプログラムとそれを生かしたカリキュラムを提案する。プログラムは観察学習、生態系循環学習、環境問題学習の3つの観点から検討する。 また、コミュニケーション力の向上や地域連携、といった新たな側面から、「生活」「総合的な学習の時間」といったような、合科的指導を実施する科目において、動物の飼育活動が子供の生活に果たしうる役割を検討する。次年度は、ヤギの出産と成長、行動特性を観察するための工夫を行い、観察学習のプログラムを作成して4月~10月まで講義科目「生活」「生命環境科学」を受講する学生、学外からの児童生徒の訪問学習において思考実践する。結果を生かして展示の工夫を行なう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ヤギの出産と成長、行動特性を観察するための工夫を行い、観察学習のプログラムを作成して4月~10月まで講義科目「生活」「生命環境科学」を受講する学生、学外からの児童生徒の訪問学習において思考実践する。結果を生かして展示の工夫を行なう。除草、堆肥作りの作業への関わりを通じて生態系における循環を学習するプログラムを作成する。4月~10月まで講義科目「生活」「生命環境科学」を受講する学生に参加させ、結果を生かしてさらに展示の工夫を進める。 同時に、春季に出産したヤギの成長の観察をテーマとする生命学習のプログラムを作成する。 ヤギを活用する震災復興のためのふれあい学習を実践し、動物を通じて得られる人と人のつながりを教育に活用するための手法を検討する。
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